東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は5月31日、「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」の結果(速報)を発表した。

勉強や目標が「自己肯定感」に影響

今回は、2015～2017年の3時点(2年間)における調査から、長年にわたって低いと指摘されている子どもの「自己肯定感」に注目。まず、小4生から高3生に「自分の良いところが何かを言うことができる」か尋ねたところ、｢言うことができる｣(以下、肯定)は55.3%、「できない」(以下、否定)は43.4%となった。

次に自己肯定感の変化をみると、2年間「ずっと肯定」の子どもは31.1%、「ずっと否定」は20.3%、「肯定→否定」「否定→肯定」へ変化した子どもは48.7%だった。

  • 「成績の変化」と「自己肯定感の変化」の関連(全体、2015～2017年)

自己肯定感を高める要素について、自己肯定感の変化に注目して分析したところ、2年間で成績が「下位→上位・中位」に上昇した子どもは、成績が「ずっと下位」の子どもに比べて、自己肯定感が「ずっと肯定」の割合(29.2%>20.9%)や「否定→肯定」へと変化した割合(22.0%>17.5%)が高いことが判明。

また勉強が「嫌い→好き」に変化した子どもや、将来の目標が「不明確→明確」になった子どもも自己肯定感が高まる傾向がみられた。

さらに自分のクラスが「嫌い→好き」に変わった子どもも自己肯定感が高まっていたほか、保護者が「努力すればたいていのことはできる」と感じているほど子どもの自己肯定感が高いことがわかった。

調査期間は、第1回2015年7～8月、第2回2016年7～8月、第3回2017年7～9月。調査対象は全国の小学1年生～高校3年生の子供とその保護者(小学1～3年生は保護者のみ回答)。有効回答は、第1回1万6,776人、第2回1万6,013人、第3回1万5,389人。