2018年で28回目を迎える夏恒例の人気イベント「ウルトラマンフェスティバル2018」が、池袋サンシャインシティにて7月20日より開催される。同イベントは1989年に第1回が開催されて以来、昨年の「ウルトラマンフェスティバル2017」まで27回(東京のみカウント)を重ね、今やウルトラヒーローや怪獣が大好きな子どもたちから、かつて「ウルトラマン」シリーズに熱狂していたお父さん・お母さん、そしておじいちゃん・おばあちゃん世代まで、家族そろって楽しめる夏休みの定番イベントとして親しまれている。
前売券の発売開始日である5月12日には、サンシャインシティ噴水広場において発表会イベントが開催され、「今年のテーマ」と「公式サポーター」が明らかにされた。
「ウルトラマンフェスティバル」では、2016年の博多華丸・大吉、2017年の女優・土屋太鳳というように、芸能界の「ウルトラマン」ファンで知られるタレントや俳優を公式サポーターとして迎えるのが恒例で、毎回誰が任命されるのか、話題を集めている。
今年の公式サポーターには、TBS系情報番組『サンデー・ジャポン』(毎週日曜10:00~11:22)や、TBS系バラエティ番組『爆報! THE フライデー』(毎週金曜19:00~20:00)など、多くの番組でMCを務めて大活躍を続けるお笑い芸人・爆笑問題の2人が任命された。
イベント開幕早々、ステージに姿を見せたのは、『ウルトラマン』第19話「悪魔はふたたび」に登場した青色発泡怪獣アボラスと、『ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」に登場した蛸怪獣ガイロス。いきなりの怪獣出現にとまどう子どもたちの心配を吹き飛ばすかのように、さっそうと駆けつけたのは、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウの「ウルトラ兄弟」だった。主題歌「ウルトラマンタロウ」のメロディに乗り、息のあったコンビネーションで戦う兄弟たちは、華麗な格闘技で2大怪獣に対抗。最後は、必殺技のスペシウム光線(マン)、ワイドショット(セブン)、ストリウム光線(タロウ)を撃ちこみ、見事に勝利を飾った。
迫力のウルトラヒーローショーの直後、イベントのMCを務める元TBSの安東弘樹アナウンサーと、アシスタントの勝浦まりえが登壇。安東アナは昨年も同イベントの司会進行を務めていたが、今回はフリーアナウンサーとなって登場。「TBSアナウンサー改め、普通の安東弘樹と申します!」とあいさつして、会場の笑いを誘った。
続いて、公式サポーターの姿が大型モニターで発表。今年は、「ウルトラマン」シリーズの原点『ウルトラQ』『ウルトラマン』(ともに1966年放送開始)の前年である1965年に生まれたお笑いコンビの爆笑問題(太田光、田中裕二)が選ばれ、大勢の拍手に迎え入れられてステージ中央へやってきた……のはいいのだが、暴走気味の太田はなぜかステージ上を走り回ったかと思ったら、マスコミ席へとなだれこみ、雑誌記者の頭にかぶりつかんばかりの勢いで「悪い子はいねーがー!!」と、秋田県名物「ナマハゲ」のような暴れっぷりを見せて、大勢の観客をあぜんとさせた。これに相方の田中が「お前がいちばん悪い子だよ!」と絶妙なツッコミを入れ、見事に沈静化。改めて爆笑問題の2人としてあいさつを行った。
『ウルトラマン』で怪獣退治に活躍する怪事件専門チーム「科学特捜隊」の制服を着ての登場となった太田、田中の2人を見て、安東アナは「正直、うらやましい!」と感想を述べる中、田中は「夢のようです」と率直な感想を語った。太田の「これ(制服)すごくよくできてるんですよ」という言葉を受け、田中が腰のホルスターから小道具の「スーパーガン」を取り出し「これもすごくできがいいんです。ふだん引っ込んでいる銃身がこうやって出るし!」と、興奮気味に説明。2人の『ウルトラマン』に対する愛着と憧れをうかがわせた。
しかし太田は「直前まで(公式サポーターを)TOKIOがやることになってたんだけど」といきなり強烈なボケを飛ばし「いやいや、なってない! 最初から俺たちに決まってた」と田中がツッコむ、彼らが得意とする「時事ネタ」漫才のようなトークを連発して会場の大人たちを中心に大ウケを取っていた。
『ウルトラマン』『ウルトラセブン』に(本放送や再放送で)子どものころから親しんでいる太田、田中は、安東が「お2人はガチで(ウルトラマンに)詳しい」と絶賛するほど、『ウルトラマン』と「ウルトラマン」シリーズへの愛が深いという。とは言いながらも、太田はとてもこの場では文字にするのがはばかられるようなセクハラ発言をかました上に、「セクハラ罪っていう罪はないですから」と、麻生太郎財務相のモノマネを重ねてきて、田中に「麻生さんのマネすんな!」と制された。これら畳みかけるようなボケ・ツッコミの応酬を横で聞いていた安東アナは、「怪獣から政治家ネタまで、幅が広いですねえ」と思わず感心する様子を見せた。
「ウルトラ怪獣の中で、好きな一体は?」と尋ねられた田中は、「ピグモンです! だって、数少ない"いい怪獣"ですから」と、怪獣無法地帯と呼ばれるほど凶暴な怪獣が多くうごめいている多々良島の中で、唯一人間を助ける友好珍獣の「ピグモン」を挙げた。するとステージには、そのピグモンがピョコピョコと跳ねながらかけつけてきて、田中を喜ばせた。
ピグモンは他のウルトラ怪獣が50mクラスの巨大な身体を持っているのに対し、人間の大人くらいの身長だという部分も、親しみを持ちやすい一因かもしれない。しかし、太田は田中の身長が低いこともネタにし「お前(田中)、ピグモンよりも背が低いな!」と、ほんのわずかな差ながら田中よりピグモンのほうが高身長な部分を鋭く指摘した。
太田も好きな怪獣を聞かれ、「俺はレッドキングですね!」と、『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」でのメイン怪獣である、どくろ怪獣レッドキングを挙げた。さらには第39話「さらばウルトラマン」でウルトラマンを倒した宇宙恐竜ゼットンの名も挙げて、「ゼットンがウルトラマンをやっつけちゃったのはショックでしたね~」とコメントし、田中もまた「いまだに信じたくない気持ちがある」と、無敵のヒーロー・ウルトラマンを倒してしまうほどの実力を持ったゼットンの強さが今でも印象に残っていることを明かした。
「『ウルフェス』にどんなことを期待するか?」という問いに対して、田中は「この前、子どもたちを連れて『ウルトラマンジード』の映画を観に行ってきました。『ウルフェス』でも、大人から子どもまで楽しめるような内容が充実しているといいですね」と、実生活でよきパパぶりを見せる田中ならではの意見を語った。
しかし、横で田中を徹底的に茶化しまくる太田に困り果てた田中が、「なんで(ウルフェス公式サポーターを)コイツにしたの? オレはまだ"ファミリー感"出してるけど」と、とうとう不満をあらわにしていた。その一方で、「でも、(太田は)科特隊の制服がめちゃめちゃ似合っているんですよね~。まるでハヤタ隊員のような」と、スリムな制服が似合う太田のスタイルのよさを褒める場面も見られた。しかし、せっかく褒めてもらった太田は田中に対して「こいつは平成の毒蝮(どくまむし)って呼ばれてるんですよ」と、科学特捜隊きっての怪力自慢・アラシ隊員役で人気を博し、今ではおじいちゃん、おばあちゃんのアイドルとしてTBSラジオで活躍している毒蝮三太夫(当時:石井伊吉)にかけたギャグを飛ばしていた。
先ほどの話題にも出たが、田中は子どもと一緒にウルトラマンや怪獣のフィギュアを集めて遊んでいるという。それだけではなく、自分と子どもたちで紙工作によるビルや電信柱を作り、ミニチュアのビル街を模してフィギュア遊びに臨場感を持たせていると嬉しそうに語った。
田中は、「うちには小学2年生の息子がいるんですけれど、もうウルトラマンにハマっちゃって、毎日うるさいんですよ。ゼットンはウルトラマンに勝ったけど、じゃあセブンと勝負したらどっちが勝つんだ、とか。タロウとエースはどっちが強い?とか、そんな話ばっかりしていますよ(笑)」と、子どもと共に空想の幅を広げる議論に積極的に参加するなど、よきパパとしてウルトラマンと親しんでいることを明かした。
太田も、「タロウ最強説ってあったよねえ」と"ウルトラマン強さ議論"にさっそく割って入ると、安東アナも「僕はセブンが最強じゃないかって思います」と、3人がいきなり小学生に戻ったかのように、自由なウルトラマントークを繰り広げていた。
話していくうちにどんどん"ウルトラマン熱"が高まってきた太田と田中。太田は「ウルトラマンや怪獣の人形はぜんぶ持っていた?と思うくらいたくさん集めていた」と語り、田中もまた「大きいのから小さいのまで、100体以上は持っていたけれど、いま残っていたらすごい値段がつくお宝なんだそうですね」と、ウルトラマンや怪獣に熱中していた子ども時代を思い出させる「懐かしの怪獣ソフビ人形」の話題で盛り上がった。
ここで安東アナから、「ウルトラマンごっこの実演」をリクエストされた太田、田中は、田中がハヤタ隊員、太田が怪獣レッドキングという設定で"ごっこ遊び"を始めた。しかし、自由すぎる太田は「ギャーッ!」といきなり叫んで怪獣になりきり、田中の股間を握りつぶそうと腕を伸ばすアクションで会場をどよめかせた。田中は太田のムチャクチャな動きに困惑しつつも、勝浦から手渡された「スプーン」を天空にかかげて、あれ?という顔をした後にスプーンを投げ捨てた。もちろんこれは第34話「空の贈り物」で、ハヤタ隊員がカレーを食べていた途中に変身しようとして、変身アイテムのベーターカプセル(フラッシュビーム)とスプーンをうっかり間違えてしまうギャグ(鬼才・実相寺昭雄監督による演出)を模した、通好みのアクションであった。
リアル怪獣というべき大暴れを見せた太田は「ちょっと動くだけで、汗だくになるね」と、怪獣アクションのハードさを実感した模様。田中はウルトラマンごっこを行うにあたって、「やっぱり、ウルトラマンに変身していきなりスペシウム光線を出しちゃいけないですね。最初は怪獣が優勢で、ウルトラマンはカラータイマーが鳴ってピンチになってから、反撃しないと面白くなりません!」と注意点を語った。すかさず太田が「お前、カラータイマー1個しかないだろ」と、田中が2000年に片側の睾丸摘出手術を行ったのを受けた得意のネタでいじりだすと、田中も負けじと「カラータイマーじゃねえ! やだよ股間がピコーン、ピコーンって光りだすウルトラマンなんて!!」とツッコんで、安東アナも困り果てて「子どもたちはこのくだり、聞かなくていいよ~!」と子どもたちに配慮する場面もあった。
やがて、「ウルフェス2018」のプロモーション映像が流された後、爆笑問題の呼び込みによってステージにウルトラ6兄弟が登場。ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)、ウルトラマンA(エース)、ウルトラマンタロウが順に必殺技のポーズを取って、大人から子どもまで、大勢のウルトラマンファンを興奮させた。
2016年は「リアルウルトラ体験」、2017年は「親子の絆」と、毎年「ウルフェス」では特定のテーマを掲げているが、今年は「ウルトラ兄弟の絆」がテーマとなった。いつもは1人で困難に立ち向かうウルトラヒーローだが、1人では手に負えないほど辛く苦しいときには頼もしい兄弟がかけつけ、どんな難関でも兄弟の「絆」を武器にして乗り越えていくことができる。「ウルフェス2018」では、ウルトラ兄弟に対抗する怪獣・宇宙人軍団がなんと「1587体」も登場し、入場する人々にとって最高のフォトスポットになっているという。
田中はウルトラ6兄弟と並んでステージに立っている今の状況に感動を隠せない様子で、「心臓がバクバクしています。50年くらい前の自分に教えてやりたい!」と嬉しそうにコメントした。太田はウルトラ6兄弟に向かって「みんな、不祥事がないようにね! たとえば、エースが明日から出られません、とかになっちゃったら困りますから」と、まったくもって余計と思われるアドバイスを放って、名前を出してイジられたウルトラマンAがぶぜんとした態度を取るなど、絶妙なるかけあいを見せて爆笑を誘った。
最後にひとことコメントを求められた田中は「夏休みの間、ずっとやっていますからね! 1度、2度と言わず、3回も4回も来てください!」と、何度もリピートすることに「ウルフェス」の醍醐味があるとアピール。一方太田は「サンシャイン噴水広場で、ぼくと握手!」と、某遊園地アトラクションショーの決めゼリフでボケまくり、田中から「お前じゃないよ! これからウルトラ兄弟と子どもたちが握手会をするの!」としっかりツッコまれていた。
5月12日より前売チケットが販売開始された『ウルトラマンフェスティバル2018』は、池袋サンシャインシティ文化会館4F・展示ホールBにて、第1部が7月20日~8月6日、第2部が8月8日~27日(8月7日は休業)の開催となっている。
第1部と第2部では、人気アトラクションショー「ウルトラライブステージ」の演目が変わると共に、展示内容もいくつか入れ替えする予定。今年は通常の前売券のほか、ウルトラマンジードのマスコットがぷらぷらと動く缶バッジが付属する「ぷらぷら缶バッジ付き前売券」および、ローソンチケット限定でブルマァク特製のソフビフィギュア(ウルトラセブン、キングジョーのクリアバージョン)が付属する「ブルマァク特製フィギュア付きチケット」も販売される。詳細はウルフェス公式WEBサイトを参照していただきたい。
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