ウェザーニューズはこのほど、東京都、埼玉県、神奈川県、茨城県、群馬県、千葉県、静岡県の1都6県が花粉シーズンに突入したことを発表した。
同社では、花粉観測機「ポールンロボ」を用いて花粉飛散量を観測している。2月15日に上記1都6県で基準(※)を超える花粉の飛散が観測され、今後も飛散が徐々に増える見込みであることから、花粉シーズン突入の発表をするに至った。東京都の花粉シーズンの開始時期は、昨年より16日遅く、平年(2008年~2017年平均)より12日遅いという。
スギの雄花は、暖かくなると花を開いて花粉を飛ばし始める。今シーズンは、平年よりも気温が低い日が多く、特に1月下旬からの記録的な強い寒気の影響を受けて、各地で厳しい寒さを記録。2月になり寒気が緩むと、15日は東京で3月下旬並の暖かさになった。その結果、スギの雄花が開いたため、花粉飛散シーズンに突入したと考えられるという。
2月下旬は、気温の変動が大きくなる見込みとのこと。寒気の南下によって厳しい寒さになる日もあれば、春の気配を感じるような暖かさになる日もあるという。そのため、西・東日本では花粉シーズンに入るエリアが拡大することが予想される。
3月になっても寒気が流れ込む日はあるが、寒気も徐々に南下しにくくなるという。暖かい日も増えるため、3月上旬には大雪に見舞われた北陸や東北南部でも花粉シーズンに入ると見込まれている。
本格的な花粉シーズンに突入するのは、シーズン開始1週間から10日くらいであるという。スギ花粉のピークは、関東など早いところで2月下旬から、西・東日本は広い範囲で3月上旬~中旬、東北では3月中旬~4月上旬と予想されている。
3月が終わりに近づくとスギ花粉のピークは過ぎ、代わって西日本からヒノキ花粉の飛散が増加する。ヒノキの花粉飛散量のピークは、九州や東海、関東では3月下旬~4月上旬、中国や四国、近畿では4月上旬~中旬となる見込みとのこと。
シラカバ花粉が飛散する北海道では、道南・道央がゴールデンウィーク前後、道北・道東が5月中旬に飛散ピークを迎えると予想されている。
2018年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの花粉飛散量は全国的に少なめで、平年と比べると65%の見込みだという。東日本を中心に平年の50%未満となる地域が多いとのこと。特に、記録的な日照不足となった関東は、東京都で平年の50%、茨城県では平年の28%となる予想だという。
全国的に花粉飛散量が多かった2017年シーズンと比べても、三重県や静岡県、関東北部では50%未満と、大きく下回る予想と予想されている。ただし、風が強い日や雨が降った翌日などは一時的に花粉の飛散が増えるため、飛散量が平年より少ない予想でも、花粉シーズンへの備えが必要だという。
なお、全国的に花粉飛散量は少なめとなるが、九州北部や青森県、北海道(シラカバ花粉)では、平年の110%以上と飛散量が多くなる地域もあるとのこと。
花粉の飛散がシーズンアウトを迎える時期は、九州は4月下旬、中国・四国・近畿・中部・関東・東北では5月上旬となる見込み。北海道は6月上旬であると予想されている。
※花粉シーズンの開始は、各都道府県(沖縄を除く)に設置している花粉観測機「ポールンロボ」のうち、3割以上が1日10個以上を観測した日(2日以上)を基準とし、ウェザーニュース会員からの症状報告も参考にしている