ZEV規制強化のインパクト

2018年から、クルマの電動化はいよいよ正念場を迎える。米国カリフォルニア州での「ZEV規制」が、厳しさを増して開始されるからである。

実質的には、2017年9月から販売される新車は2018年モデルとされるため、すでにZEV規制の2018年版は始まっているといえる。その内容は、新車販売の4.5%を燃料電池自動車(FCV)、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のクルマにするよう各メーカーに求めるというもの。この規制は、カリフォルニア州のほかに8州(コネチカット、メリーランド、マサチューセッツ、ニューヨーク、オレゴン、ロードアイランド、バーモント)が調印している。

カリフォルニア州では、およそ200万台の新車が毎年販売されており、その4.5%というと9万台になる。ちなみに、カリフォルニア州で2017年に売れたEVは推計で約5万台だ。直接の比較にはならないが、身近な数字として、日産自動車「リーフ」の日本における年間販売台数は多くて1.5万台ほど。ZEV規制は必ずしもEVだけで達成すべきものではないが、9万台というのが相当な台数だと感じていただけるのではないだろうか。

  • 日産「リーフ」

    日産「リーフ」の日本における販売台数は多くて年間1.5万台規模

その市場へ、日本の自動車メーカーもEV、PHV、FCVを数多く販売していかなければならない。全体のたった4.5%といえども、少なくない数字だ。

さらに、ZEV規制は翌2019年に7%、2020年には9.5%となって、新車販売台数の約1割に達する。以後も義務台数は毎年増え続け、2024年には19.5%、すなわち5台に1台はEVまたはPHVとしなければならない。しかも、PHVの比率を下げなければならない規制もあわせて進められる。つまり、早急にEVの販売台数を軌道に乗せていかなければならないのである。この流れを考えると、2018年は具体的な行動が求められる年となるのだ。