影響を受けたオードリーさんと母の言葉

名女優として知られる故オードリー・ヘップバーンさんやソフィア・ローレンさんなど、多くの著名人のコーディネーターとして活躍をしてきた加藤タキさんは、「自分らしく、凛として輝いて生き切る」と題して講演。自分らしくすてきに生きるためのヒントを語ってくれたが、やはりオードリーさんから受けた影響は非常に大きかったと明かす。

加藤タキさんは「第11回アンチエイジング大賞2017」の特別賞受賞者にも選ばれた

「私はアクセサリーをたくさんつけるのが好きだけど、オードリーさんはとてもシンプル。シンプルが好きな人の中には、私に『外したほうがすてき』なんて言ってきますが、『だってあなたはそれが好きなんでしょう? 』と、オードリーさんは決して自分の価値観を人に押し付けなかった。」

「人と同じであるはずがない」という考えのもと、お互いを尊重し価値観を否定しない。それが、自分自身を生き生きとさせるという。

加藤さんは、この寛容の心を母からも教わった。加藤さんは母親が48歳、父親が53歳のときにこの世に生を享(う)けた。当時の平均寿命を考えると、両親は子供だった加藤さんをいち早く自立させる必要があったという。

「(両親は)自分の頭で考え、自分で踏ん張って立ち、自分の心で感じることができる人間に一日も早く育てようとしてくれた」と加藤さんは振り返る。「人と比べても何もならない。あなたがどう在りたいのか」と常々、言われていたとのこと。

また、挫折も大きなキーワードとして語られた。オードリーさんに好みの男性を聞いたとき、「Strong Man」と即答された。マッチョな男性をイメージしたそうだが、「タキ、そうじゃなくて挫折を味わったことのある男性よ。心の痛みがわかる強い人」と話していたという。

この考えは加藤さんの母親にも共通しており、加藤さんが子どもを産んだその日に「この子も早いうちに挫折を味わうといいわね」と話したそうだ。「挫折を怖がることはない。それを経てこの子の人格が作られていくんでしょ」と、何事にも好奇心旺盛に挑戦していくことが人間として大事だと、語っていたという。

加藤さんは今でも好奇心旺盛に何事にも取り組み、64歳で始めた社交ダンスは20代の先生とともに発表会にも出るほど。「背筋を伸ばして、失敗を恐れず、ポジティブシンキングで。そして、鏡を見ること。鏡はうそをつきません(笑)。シミとかシワとかじゃなく、あなたの心を映すもの。昨日までの酸いも甘いも明日に活かすように、いろんな人をロールモデルにして生きています」と、笑顔で語った。

体の「内」と「外」、どちらの美も重要

アンチエイジングと聞くと、まずはシミやシワなど見た目のことを意識してしまうのではないだろうか。もちろん、外見を美しくすることもエイジングケアにはなるが、体の中から美しく健康になることもそれに負けず劣らず大切だ。体の「内」が良い状態になれば、自然と「外」にも好影響を与え、体全体のアンチエイジングへとつながる。今回の話をヒントに、今から始められるエイジングケアを心がけてみてはいかがだろうか。