鹿児島市交通局はこのほど、11月15日付で九州運輸局長宛に軌道事業の旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。実施予定日は2018年1月1日。改定するのは定期旅客運賃のみで、通勤・通学ともに6.25%の値上げとなる。

鹿児島市交通局が軌道事業の旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表

申請通り認可されれば、現行6,720円の通勤1カ月定期は6,720円から7,140円、現行4,800円の通学1カ月定期は5,100円にそれぞれ値上げとなる。現行8,160円の通勤通学定期と7,720円の全線定期はともに廃止となる。

申請の理由について、同局は「安全輸送の確保と親切・丁寧な乗客サービスを将来にわたり安定的に提供するため」と説明。2018年度からの3カ年で施設の更新や改良、超低床電車の購入、多言語対応のロケーションシステム導入などの設備投資に32億円近くの費用を投じる計画がある一方、継続的な利用者の増加が見込めないことなどが背景にあるという。

鹿児島市交通局の試算によれば、2018年度から3カ年の定期運賃収入は運転改定によって約4,000万円増加し、7億7,300万円あまりになる見込みだという。この3カ年で予定されている軌道部門の赤字額も約4,000万円減ることになり、収支率についても改定しなかった場合の97.5%から98.1%に改善される。