TVアニメ『カブキブ!』の主要キャスト達が集結したスペシャルイベントが10月1日、東京・山野ホールにて開催された。出演は、来栖黒悟役の市川太一、村瀬とんぼ役の梅原裕一郎、阿久津新役の逢坂良太、丹羽花満役の島崎信長。また、OP主題歌アーティストとして下野紘もライブを披露。今回は、夜公演「キ部」の模様をお届けする。

『カブキブ!』スペシャルイベント

会場が暗転すると、キャストたちが歌舞伎の舞台さながらの大きな花道を通って登場。それぞれに和装が決まっており、特に逢坂はトラ柄、島崎はシマウマ柄を着こなしており、二人はまさに"傾き者"といった風情。島崎は衣装を選ぶ際に、「逢坂良太がトラ柄を着るなら俺もこれ(シマウマ柄)着ます!」と宣言していたそうで、逢坂がトラ柄に即答でOKを出し、派手柄コンビが誕生したとか。

最初のコーナーは「カブキブ!トークブ」。テーマに沿って4人がフリートークを繰り広げる。キャスト同士で質問に答えるパートでは、本作で初めての主人公を務めた市川に対し、逢坂が「『カブキブ!』をやって、自分の中で一番変わったと思うことは?」と投げかける。「自分も通ってきた道だから」と、市川の胸中が気になっていた逢坂。市川は「最初は手もが震えるほどガチガチに緊張していましたが、度胸がつきました」と話した。さらに「はじめは自分のことだけで精一杯だったけど、周りを見られるようになりましたね」と、『カブキブ!』を通した自身の成長を振り返る。

また、梅原からは、イベントに登壇していない蛯原仁役の河西健吾へ「歌舞伎同好会が羨ましかったですか?」との問いかけが。最後まで歌舞伎同好会に入ることがなかった蛯原を演じていた河西。梅原によれば、アフレコ中に歌舞伎同好会の掛け合いを見ていて、ぼそっと「楽しそうだね」と呟いていたようだ。「入りたかったなら入れてあげないこともないですけど」と、梅原は笑っていた。

EDテーマを歌ったカブキブロックスの、無口担当の天雅懐(あまみやかい)によるVTRメッセージも披露される。残念なことにカブキブロックスは「方向性の違い」、「次回のタイアップが決まらず」という理由で解散するという。しかし、注目を集めたのは解散の話題よりも、カンペを見ながらたどたどしく喋る天雅懐の姿。「できれば人と話したくない」というプロフィールを裏切らないその様子に、出演者一同が「なんでこの人にコメントもらったの?」と突っ込んでいた。

気を取り直し、イベントは「カブキ王決定ブ!」へ。4人が「カブキ王」の称号をかけてゲームで争う。まずは「カブキブ予想バトル」からスタート。あるお題に対して回答者が何と答えるか、ほかの3人が予想するゲームだ。しかし、「お風呂に入って一番最初に洗うところは?」、「朝起きて一番最初にすることは?」などの質問に、それぞれがななめ上の過激な回答を発表し、全員得点ゼロに。島崎が「真面目にカブいていこう!」と宣言した通り、カブいた回答の連続に、会場には爆笑の渦が巻き起こっていた。

続いては「叩いてかぶいてじゃんけんぽん」。じゃんけんに負けたほうが、お題に合わせてカブいたセリフを言い、アウトかセーフかを判定されるゲーム。市川と逢坂の対戦は、逢坂が「幼馴染にプロポーズ」というお題に「毎日オレのパンツを洗え」など、オラオラ系のセリフで攻める。ところが、立て続けにじゃんけんに勝った市川が逃げ切って勝利。

島崎と梅原の勝負では、「誕生日を祝ってくれた友人たちに感謝の一言」というお題が出され、梅原は「一万円欲しいか? お前ら」とダークなセリフを披露。しかし、「オネエになってから泣かないって決めたのに、アタシを嬉し泣きさせるなんて、大っ嫌いよ!」と、迫真のオネエ演技を披露した島崎が勝利した。

最終対決は市川と島崎。「自分が演じたキャラクターへの愛あるメッセージ」というお題に両者健闘するものの、盛大に噛んでしまった市川にアウトの判定がくだり、見事島崎が優勝をゲットする。

最後は「カブキブ!ジェスチャーバトル」で勝負。ジェスチャーで表現されたものが何かを当てるゲームだが、ここで出題者として河西が登場するサプライズが! 登場するやいなや、これまでの4人の暴走ぶりに「お前ら、カブキブ辞めろ!」と吠える河西。また、歌舞伎同好会に入りたかったかという質問に対して、梅原の予想通り「いいなぁと思っていた」としみじみ回答。そんな河西を、歌舞伎同好会を演じた4人は温かい笑顔で迎える。

河西がジェスチャーで伝えるお題は「白浪五人男を演じるアントニオ猪木」。難問を前に「このお題、出したスタッフにおこですよ!」と文句を言いながらも、河西は必死に身振り手振りで「白浪五人男を演じるアントニオ猪木」を表現。島崎が見事に回答し、カブキ王は島崎のものとなった。

最後は、主題歌アーティストとして下野紘が登場。OPテーマの「Running High」を熱唱した。下野が声とともに拳を突き上げると、呼応して客席の青いサイリウムが揺れる。疾走感ある楽曲に、会場は一つになった。

歌い終えた下野は「バースデイライブの時に立った山野ホールに、またこうして立つことができて嬉しいです!」と喜びの一言。それに対する島崎の「こちらで『Running High』を歌われるのは、リアルにツーチャンス目ですか?」という、下野の曲名をまじえながらの一言が、客席の笑いを誘った。

大盛り上がりのうちに、イベントはエンディングへ。それぞれが「アーティストの下野紘さんと共演ができて……」などと下野への愛が溢れるコメントをしつつ、『カブキブ!』の更なる発展を期待するコメントを残す。

最後は、作中で歌舞伎同好会が本番前の気合い入れに使っていた「絶景かな、絶景かなー!」を会場じゅうで叫び、イベントは閉幕。"傾き歌舞伎者"たちが集うにぎやかなイベントであった。

衣装協力:ローブジャポニカ (ROBE JAPONICA)