かつては電気街として知られていたが、今やアイドル・アニメ・ゲームファンの聖地的な街……。秋葉原の認識ってこれで合ってるよね!? というくらい、ここ最近秋葉原に行ってない。東京都内にあってもひと際個性的な街だけに、しばらく見ない間にきっと飲食店にも個性的な店が増えているに違いない。

そうだ、アキバに行こう。そう思ったが吉日、自然と足は秋葉原に。そこで出会ったのはインパクト大でおいしいランチメニューだ! 今回は、「炉端バル さま田」(東京都千代田区)で「とろとろ玉子の角煮カツ丼ダブル(大盛り)」を食べてきた。

「炉端バル さま田」(東京都千代田区)は、洒落た外観で入りやすく女性客も多い

炉端バルが提供する新タイプのカツ丼

JR山手線「秋葉原駅」の昭和通り口から、路地を歩くこと数分。ありました、「炉端バル さま田」の大きな文字が。ここが噂のデカ盛りメニューを食べさせてくれる店だ。店構えは結構オシャレで、デカ盛りが出てきそうな雰囲気はあまり感じない。

入り口付近の席は明るい陽が差し込む

おっと、よく見たら窓際に座った2人組がジョッキで杯を酌み交わしているではないか。平日の午後2時ですぜ? 羨ましい! ところが、入店して席についたら普通に水がジョッキで出てきたのだ。なんだ、そうだったのか。さっきのお客さん、誤解してスマン。このお店、見た目はオシャレだけどやっぱりちょっとユニークなのかも。そもそも「角煮のカツ」って聞いたことがないな。店長の佐俣孝さんに、その「とろとろ玉子の角煮カツ丼」が誕生したきっかけを聞いてみた。

親しみやすい店長の佐俣孝さん。現在も日々新しいメニューを思案中なんだとか

佐俣さん曰く、「もともと豚の角煮丼を出していたんですけど、その角煮をまかないでカツにして食べてみたらおいしかったんです。最初はカツカレーにしてみたんですけど、自分がカツ丼を好きなこともあったのと、どうせやるならインパクトがあるものにしたいなと思って、『とろとろ玉子の角煮カツ丼』をメニューに加えたんですよ」だという。

店内は奥行きがありカウンターを含め50席

そもそもなぜ角煮をカツに? という疑問には、「もともと火が入ったものでもフライに出来るんだったら角煮でもいけるかな、と。ハムカツとかもあるので」とのこと。その発想を実行して、しかもおいしく仕上げてしまうのだからすごいなあ。

夜の営業は炭焼きのお肉が中心。300gの「ジャンボステーキ」はイチ推しメニューだ。

最初はオーソドックスなカツ丼のイメージで作ろうとしたそうだが、何しろ大きさが規格外。カツが大きすぎて煮込めないため、まずは揚げて、その後にタレに漬ける流れに。さらに、玉子でとじることも大きすぎて無理があるため、オムレツを上にのせることにしたそうだ。

お酒を飲みに来るのも楽しそう。「ハイボールガチャ」ってなんだ!?

そして、たまねぎは醤油ベースのかつお風味のたれで煮込み、ペースト状にして乗せている。玉子の上には三つ葉も乗っており、形は違えどカツ丼の要素はすべてそろっており、「口の中でカツ丼になる、みたいな感じです」と佐俣さんは笑う。これは味に相当自信があると見た! ということで早速、ランチメニュー「とろとろ玉子の角煮カツ丼ダブル(大盛り)」(税込950円)をいただきます!

ふわふわオムレツと柔らか角煮カツが絶品

キタキタキター! いざ目の前に現れると、想像を超えたインパクト! デッカいカツが丼からハミ出しまくりじゃないか。しかも上にはオムレツ状の玉子がドーンと乗っている。これがSNS映えっていうやつか。

「とろとろ玉子の角煮カツ丼ダブル(大盛り)」(税込950円)は、変わった見た目だがスタンダードなカツ丼要素が全部あり!

なぜか眼鏡で大きさを測ってみた。眼鏡が大きいんじゃない、カツ丼がデカすぎるのだ

しかし、肝心なのは味ですよ、味。見た目の豪快さに惑わされず、じっくり吟味してみよう。まず玉子を割ってみると、カツを包み込むようにとろ~りと広がっていく。ふわふわで中はとろとろ、絶妙な火加減で焼き上げられている。う、うまい! よくできた洋食屋さんのオムレツの味だ。カツを口に入れる前に、玉子のおいしさに仰天してしまった。

ふわふわでとろ~り、上に乗ったオムレツも絶品

どうしてこんなふわふわなオムレツが作れるのか? その理由は佐俣さんがフレンチのシェフをやっていたからで、オムレツ作りはお手のもの。なるほど、豪華な見た目だが、繊細で奥深い味が実現できているわけだ。玉子単体でも十分勝負できる絶妙な味だ。

タレに漬けたカツと洋風オムレツの不思議な相性も楽しんでほしい

そして、角煮カツはしっとり柔らか~い! 弾力があって食いちぎるくらいの勢いで口に運んだのだが、全然違う。衣の中に柔らかい肉と脂身が閉じ込められており、普通のとんかつの脂身とは違った甘みが口の中でとろける。揚げた角煮って初めてだけど、「サクッ、ムニュッ、とろっ」って感じの食感が楽しめて、思った以上に合うよこれ。

箸で持ち上げると手がプルプルするほどのボリューム感!

しかも、これだけ大きいカツが2枚乗っているのにも関わらずどんどんいける。その理由は、角煮自体の味やタレの味付けがあっさり目でしつこくないから。1枚の豚バラ肉を3等分にして煮込んでいるので、中までガッツリ染みこませていないらしい。ご飯とのコンビネーションもよく、大盛りでもなんなく完食できた。これは女性でもすんなり食べられるのではないだろうか。

サクっとした衣の歯ごたえと角煮のとろ~りした脂がたまらない

秋葉原の新名物としてメディアの露出も多い同店。食べてみたら、実はよく練られた繊細な味付けにきっと驚くはず。夜はバルとして営業しており、豊富なメニューでお酒が楽しめるのも魅力的。「とろとろ玉子の角煮カツ丼ダブル(大盛り)」はランチ(土日祝日を除く11時30分~14時L.O)のみなので、ランチタイムに秋葉原を訪れた際はぜひ一度味わってみてほしい。

通常の角煮のイメージとはちょっと違う、意外にもあっさりした味だから飽きない

●information
炉端バル さま田
住所: 東京都千代田区神田佐久間町3-21-6 第1ヤマコビル 1階
営業時間: 月~金 11時30分~14時30分(L.O.14時)、17時~23時30分(L.O.23時)
     土日祝 17時~23時30分(L.O.23時)
定休日: 不定休