※2008/12/01掲載記事の再掲です
年の瀬が近づき、年末ジャンボ宝くじ、ジャパンカップダート(GI)、有馬記念などと“夢”を買う機会が増えてきた。せっかく買うなら儲けたい! ということで、何が確率的に一番儲かるのかが気になるところ。宝くじは、発売総額の約46%が当せん金として払い戻されると言われている。競馬は一体、どれくらいの割合で払い戻されるのだろうか?
競馬の売り上げの内訳とは?
「日本の競馬における払戻金の算出方法は、『競馬法第7条』に定められていて、この算出方法から控除率は約25%と導き出されます。残りの約75%が払戻金として、お客様の手に渡ることになります」(JRA日本中央競馬会・広報部)
つまり、100円の勝馬投票券を購入したとすると、確率論的には元本が75円に減ってしまうということ。宝くじよりは還元率が高いが、理論どおりにいかないのが悩ましい……。
控除される「25円」の使い道は?
意外にも、払い戻し以外に使われるお金の流れが興味深い。
「まず、25円のうち10円が国庫に納付されます。これを『第1国庫納付金』と呼びます。残りの15円がJRAの運営に充てられるのですが、各事業年度で利益を生じた場合には、その額の2分の1が国庫に納付され、これを『第2国庫納付金』と呼びます。日本中央競馬会法では、JRAの国庫納付金の4分の3相当額を畜産振興事業に、4分の1相当額を社会福祉事業に充当すると定められています」(同)
つまり、100円の勝馬投票券のうち10円が国に納められ、畜産振興事業や社会福祉事業などに使われるというのだ。同じように宝くじも、発売総額の約40%が、地方公共団体が行う公共事業やスポーツ・レクリエーション振興事業などの財源に充てられている。
競馬にしても宝くじにしても、“夢”を買っているのと同時に、実は“社会貢献”の面もあったなんて、当たらなかったら悔しいけど、なんだかちょっと誇りが持てそうだ。
JRA:http://www.jra.go.jp/
文●影山 薫