それでも泣いてしまったら

プログラムによれば、赤ちゃんの「SOSのサイン」を読み取り、おくるみで包んでゆらしたり、おしゃぶりをくわえさせたりすることで、泣いたりむずかったりするのを防げる可能性があるとのことだった。

しかしそれでも赤ちゃんが落ち着かず、「再起動ゾーン」に入ったら、どうしたらよいのだろうか。必要なステップは3つ、「落ち着いた声で話しかける」「観察する」「助けを増やす」が有効なのだそうだ。

「赤ちゃんはママ・パパの声が大好きなので、落ち着いた声で話しかけることで落ち着きます。そして、観察してみましょう。口をチュッチュとしたり、手を口元に持っていったり、刀で戦っているようなポーズをとったりしていませんか? これらは、赤ちゃんが自分自身を落ち着かせようと取る行動です」。

自分自身を落ち着かせようと赤ちゃんが行う「刀で戦っているようなポーズ」(プログラムのスライド資料より)

それでも落ち着かなかったら、赤ちゃんの両手を腕の前に持っていったり、おくるみで包んであげたり、授乳したりするといいそうだ。

また、空腹で泣いている場合、それは"おなかが空きすぎてしまっている状態"なのだそう。少し空腹を感じた時に赤ちゃんが行う「手を口元に持ってくる」「"クウ"や"ハア"など柔らかい声を出す」「もぞもぞする」「唇をチュッチュする」などのサインを読み取ることができれば、早めに対応できるだろう。

手を口元に持ってきていたら、空腹のサインかもしれない(画像はイメージ)

講師によれば、赤ちゃんは予定通りうまれた場合、生後2週目頃になると以前と比べて昼間に泣くことが増えてきて、生後6週目頃にピークとなるという(予定より2週間早くうまれた場合は、生後4週目に泣きが増え、生後8週後にピークとなる)。これを知っておくだけでも、気持ちが楽になる人は多いかもしれない。

どうしたらよく寝てくれる? どうやって遊んだらいい??

他にも、このプログラムでは赤ちゃんの育児に役立つ情報が盛り込まれていた。例えば、赤ちゃんの眠りに関する知識。眠りには浅い眠り(レム睡眠: 目が半開きだったり、口元が動いたりする)と深い眠り(ノンレム睡眠: 完全に体が動かない状態)があり、授乳などのために起こす場合は、浅い眠りの時がいいという。

また"抱っこしないとよく寝てくれない"と困っているママ・パパは、抱っこして赤ちゃんが浅い眠りになるのを待ってから、ベッドや布団に置くといいのだとか。これを繰り返すことで、赤ちゃんは自力で深い眠りに入っていくことができるそうだ(浅い眠りは約1時間ごとに訪れるという)。

さらに赤ちゃんと遊ぶ時には、赤ちゃんが落ち着いた状態の「準備ゾーン」がいいとのこと。赤ちゃんと目を合わせて自分の頭をゆっくり動かしてみたり、赤ちゃんの名前を呼んでみたり、ガラガラを振ってみたりして、発達を促してみよう。

最後に講師は「赤ちゃんの反応は個人個人で異なります。ぜひママ・パパが観察して、赤ちゃんの気持ちを汲み取ってあげてください」と話した。一見分かりづらくても、赤ちゃんはその時々の状態や気持ちを、何らかのサインで発信しているよう。プログラムで紹介された"サイン"を参考に、赤ちゃんに向き合ってあげるといいかもしれない。

2017年度は、9月30日、11月18日、2018年1月20日の14~16時に、聖路加国際大学 大村進・美枝子記念 聖路加臨床学術センターにて開催予定の同プログラム。妊娠30週以降の妊婦とその家族を対象にしている。参加には事前の申し込みが必要で、参加費は2,000円(「Hug Your Baby」のDVD、その他教材、およびエイデンアンドアネイのおくるみ1点進呈)となっている。