JR西日本の新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が17日から運行開始し、大阪駅と京都駅で出発式が行われた。初運行は1泊2日片道タイプ「山陰コース(下り)」で、6月17・18日の2日間にわたって山陰本線を走り、下関駅へ向かう。1日目は城崎温泉駅、2日目は東萩駅・萩駅で立寄り観光が行われる。
「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は10時18分に大阪駅10番線ホームから発車。大阪駅の出発式では、デザイン統括・インテリア監修を手がけた浦一也氏、食事全体のプロデュースを担当した門上武司氏、アンバサダーの葉加瀬太郎氏らが出席したという。東海道本線を走行した「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は10時47分頃、京都駅0番線ホームに入線した。
京都駅の出発式ではJR西日本執行役員 京都支社長の三輪正稔氏が挨拶。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」について「従前のトワイライトエクスプレスの伝統を受け継ぐ列車。鉄道の旅の醍醐味である美しい車窓、おいしい食事、上質な車両などを受け継ぎ、沿線の魅力を発信するという新たな役割も担って運行されます。展望デッキや開閉可能な窓から沿線の風と香りを感じ、立寄り観光で沿線の方々とふれあっていただけたら」と述べた。
エクステリアデザインに携ったインダストリアルデザイナー、福田哲夫氏も京都駅の出発式に出席。「総合プロデューサーである浦一也先生をはじめ、JR西日本の設計陣の思いをもとに、伝統の寝台列車の濃い緑色と金色の帯を用いました。今日のお天気だと、沿線の風景を映しながら走るものと思われます。いつまでも輝き続け、皆さんの力で魅力をさらにブラッシュアップさせてほしいと思います」と挨拶した。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が入線した後、出席者によるテープカットが行われ、京都駅長による出発合図でほぼ定刻に発車。京都駅を起点とする山陰本線の旅が本格的にスタートした。
初運行となる6月17・18日、「山陰コース(下り) ~文豪と維新の歴史をたどる旅~」として大阪・京都~下関間を山陰本線経由で走行する。京都駅を10時54分に発車した後、城崎温泉駅に14時11分に到着し、城崎温泉街にて詠帰亭(国の有形文化財に登録された貴賓館)や志賀直哉が逗留した宿などを探訪する。城崎温泉駅を16時58分に発車した後、ビューポイントである余部橋梁を渡る。列車は引き続き山陰本線を走行し、車中泊となる。
2日目は山陰西部の折居海岸などのビューポイントを経て、東萩駅に8時40分に到着。松陰神社を訪ね、通常は外側からの見学のみという松下村塾の棟内に入り、神職による幕末秘話の特別講話を聞く。萩焼の名窯元「不走庵 三輪窯」も訪問する予定。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は12時22分に東萩駅を発車し、下関駅には15時32分に到着する。
6月19・20日には「山陰コース(上り) ~神話と自然美に触れる旅~」、6月21~23日には2泊3日周遊タイプ「山陽・山陰コース ~西日本の原風景を堪能する旅~」が運行される予定で、各コースとも運行時刻は専用サイト内「運行情報」にて紹介されている。専用サイトでは沿線での出迎え・見送りに使用できる「瑞風」フラッグも用意された。