子育て世代にとっては、大きな課題である"教育費"。貯蓄計画を立てたとしても、なかなか計画通りにはいかないのが現実です。そこで活用したいのが、年に2回のボーナス。計画的に貯蓄できない自分を責めるのではなく、計画的に貯蓄できないことを想定した仕組みづくりをしてみませんか?

200万円が"ついつい"生活費に消えている!? 教育資金はボーナスで軌道修正を(写真はイメージ)

児童手当を生活費に使ってしまったら……ボーナスで補填しよう!

教育費の資金源として、まず頭に思い浮かぶのが"児童手当"ではないでしょうか。「児童手当は教育費のために貯蓄しておいた方がいい」、そのように理解はしているものの、ついつい目先の支出を優先してしまい、いつの間にか生活費に消えてしまっている……といった声はよく耳にします。

厚生労働省の「平成24年児童手当の使途等に係る調査」によると、児童手当等の使い道ベスト3は、以下のようになっています。「子どもの教育費等」という回答が最も多いものの、やはり生活費に使ってしまうご家庭も、多いことが分かりますね。

「平成24年児童手当の使途等に係る調査」
1位 子どもの教育費等(44.2%)
2位 子どもの生活費(33.8%)
3位 子どもに限定しない家庭の日常生活費(29.4%)
※予定も含む
※複数回答

児童手当は0歳から中学3年生まで支給され、1人あたりの支給総額は約200万円になります。これを教育費として貯蓄するのか、それとも、なんとなく生活費として使ってしまうのかで、教育費の貯蓄計画には大きな差が生まれます。

1人あたりの児童手当の支給額、ご家庭ではいくら貯められていますか?

例えば、お子さんが3歳になるまでには54万円、6歳になるまでには90万円、13歳になるまでには174万円の児童手当が支給されています。現在の状況を確認するために、今まで支給された金額を、ざっくりでいいので計算してみましょう。もし、支給されたお金が貯められていないのなら、実は今が挽回のチャンスです!

児童手当を生活費として使ってしまっていたご家庭は、その不足分をボーナスで補填しておきましょう。今夏のボーナスで全てを補填することが難しい場合は、今冬以降のボーナスに負担を分けても構いません。年に2回のボーナス時期には、毎回、児童手当の貯蓄額を確認し、不足分を補填することを習慣にしておけば、貯蓄計画が大きく崩れることはありません。

私立文系では1人385万円 - 大学へ支払うお金を第1目標に

しかし、大学進学を考えると、児童手当だけでは教育費をまかなえません。「高校までの学費は生活費でまかない、大学費用は貯蓄する」というのが、教育費の一般的な貯め方。中学以降は塾などの費用もかさむので、できるだけ早く大学費用を貯めておくのが理想です。この時も、ボーナスは活躍してくれます。

大学に支払うお金は国公立・私立、文系・理系で大きく異なります

例えば、私立文系に通うことを想定した場合、大学に支払う費用は、1人あたり約385万円となります。385万円から児童手当の200万円を差し引くと、残りは185万円。年に2回のボーナスで各10万円ずつを教育資金として貯めておけば、約9年で大学費用を貯めることができます。

受験費用や第一志望以外の併願校へ納める入学金、新生活を始める準備費用、1人暮らしなら毎月の仕送りなど、かかるお金は他にもたくさんありますが、まずは大学に支払うお金を第1目標金額としましょう。

日々の生活では、予期せぬことが起こるもの。年に2回、ボーナス時期の貯蓄状況をチェックし、不足分を補填することで、計画通りに教育費が貯められる可能性はぐんと高まるはずです。ぜひ、今年の夏のボーナスから取り入れてみてくださいね。


著者プロフィール

ラーゴムデザイン代表 長谷部敦子
ファイナンシャルプランナー、マスターライフオーガナイザー、メンタルオーガナイザー。父親の看取り介護、自身の結婚を通して、「心」と「お金」の整え方を知ることの必要性を感じ、学びを深める。2012年・2014年の出産を経て、2015年に「しなやかな生き方をデザインする」をコンセプトに起業。家計・起業・扶養などに関わるお金の悩みや、働きたい女性のメンタルについての相談・講師業を中心に活動。働く母の目線で、日々のくらしを快適にする仕組みづくりについての執筆も行っている。「生き方デザイン.com