ポカポカ陽気の初夏は、子どもと公園に出掛けるのにぴったりな季節。ところが、「公園に行くと汚れるから嫌」「ケガをしないか心配」……といった理由で、あまり公園には行きたくないパパ・ママも多いのでは?

それについて「すごくもったいないことです」と話すのは、子どもの運動神経を育む運動教室「リトルアスリートクラブ」代表トレーナーの遠山健太さん。公園では、思いっきり身体を動かすことによって運動神経はもちろん、想像力、社交性、そして自信の向上など、子どもにとって多方面の成長が期待できると語る。ここでは、そんな子どもの成長を促す公園のメリットについて話を伺った。

公園で遊ぶだけで子どもの成長が促進(写真はイメージ)

好きなように遊ばせるだけで運動神経UP!

これまで都内を中心に200以上もの公園を巡り、スポーツトレーナーとしての観点で"公園が子どもにどのようなメリットがあるのか"、独自に調査を行ってきたという遠山さん。

まずは、専門分野である"運動神経"のメリットについては、「近年は、運動やスポーツに慣れていないために、身体の動きを正しくコントロールできない子が増えています。運動のコツをつかむためにはさまざまな運動体験が必要で、その基本となる動作は全部で84種類あると言われています。これらをなるべく多く体験することが将来の運動スキルの向上につながります」とのこと。

遠山さんがお子様と一緒に行った公園を記した"公園ノート"

これを聞くと、わが子の運動神経を伸ばしたい一心で「あの遊具で遊びなさい」「今度はこれ」「次はこれ」と、ついあれこれ指示してしまいそう。ところが、遠山さんは自由に遊ばせることが一番だと話す。

「滑り台に夢中になっていたかと思うと、急にどんぐりを拾い出したり、原っぱを走りだしたり……子どもは大人からするとまったく想像できないような動きをしますよね。その自由な状態で基本動作の数を計測してみると、なんと指示した時よりも数値が倍に増えたんです。つまり、自由に遊ばせた方が子どもの運動神経の向上につながると言えます」

遊ぶだけで自然と社交性や思考力も身につく

また、公園には運動神経以外にも多彩なメリットがあると遠山さんは語る。「おすすめしたいのが"砂場"。しゃがんだり立ったりを繰り返すのでいい運動にもなりますし、何より一から新しいものをつくりあげることが想像力の向上につながります。あと、砂場ではよく他の子どもとトラブルが発生しますよね? これも大切。自分が遊ぶ場所の選定や、シャベルなど遊び道具の確保など、自宅では経験できない他者とのやり取りが経験できるので、小さい頃から社交性を育むことができるんです」

運動神経以外にも多彩なメリットがある(写真はイメージ)

そのほか、親子で一緒に"鬼ごっこ"をして遊ぶのも有効だという。「近頃は、子どもが遊んでいる間、自分はベンチでスマホに没頭……なんて親御さんもよく見かけますが、たまには一緒に鬼ごっこをして遊んであげてください。鬼ごっこは、走力はもちろんのこと、スピードの緩急、反射神経、急な方向転換、そして先を予測して行動することが必要になりますので自分で考える力(思考力)も培えます」

子どもの自信をつけてあげることが大切

公園で子どもが少し高い場所から飛び降りようとしている、泥だらけの砂場で遊ぼうとしている……とっさに"止めなくてはっ!"と思う人もきっと多いはず。

ところが遠山さんは、なるべく止めない方がいいと話す。「もちろん、ケガをしてしまうような危険なシーンは別ですが、子どもが"やりたい!"とアクションを起こそうとしていることは、なるべくやらせてあげるといいでしょう。できたことによって"楽しさ"や"達成感"が得られ、それらは子どもたちの"自信"につながっていきます」

子どもは自信がつくことによって、運動や遊びに対してだけでなく、交友関係、勉強、習い事などすべてに対して意欲的に取り組めるようになるとのこと。まさに子どもの成長にメリット満載な公園。子どもの将来のためにも、休日は家族みんなで外遊びを楽しみたい。

筆者プロフィール: 遠山 健太(とおやま けんた)

ウィンゲート代表取締役、健康ニッポン代表理事、「リトルアスリートクラブ」代表トレーナー。1974年、米国ニューヨーク生まれ。ワシントン州立大学教育学部初等教育学科卒業。東海大学スポーツ医科学研究所研修員を経て、2004年より全日本フリースタイルスキーチームフィジカルコーチを務め、主にジュニアアスリートの指導を担当する。現在は学研プラスと共同で立ち上げた子ども運動教室「リトルアスリートクラブ」を展開。また都内の公立小学校へ「文部科学省新体力測定結果を用いたスポーツ適性診断」の特別授業も行っている。著書は「スポーツ子育て論」(アスキー新書)、「運動できる子、できない子は6歳までに決まる!」(PHP研究所)、「ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本」(学研プラス)など多数。