JR西日本は10日、旅客案内のために駅係員が使用するタブレット端末の配備台数を大幅に増やすとともに、端末の案内機能を強化すると発表した。
同社は2013年から、列車の在線位置を表示するシステムを導入したタブレット端末を約190駅に計380台導入し、駅係員による案内の際に使用している。今回、訪日外国人観光客の増加による外国語での案内の必要性が高まっていることや、輸送障害発生時の迅速で詳細な情報提供のニーズが高まっていることを受け、機能の強化と増備を決めたという。
新たに導入するタブレット端末は「iPad Air2」。配備する駅を280駅に増やし、合計台数も約600台に増やす。駅によって異なる場合があるが、おおむね6月1日から使用を開始する。
新たに導入する端末には、総務省と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra(ボイストラ)」がインストールされており、多言語での対面案内が可能になる。NICTが開発した筆談パットアプリ「SpeechCanvas(スピーチキャンバス)」を活用し、タブレット上に文字を書いてもらうことで聴覚障害者や訪日外国人旅行者ともスムーズにコミュニケーションが取れるようになるという。
列車の走行位置や編成・車両形式、運行計画などを参照できる社内システムのアプリも標準装備。他の鉄道事業者が提供するアプリなどを合わせて活用することで、輸送障害発生時にもより早く詳細な運行情報を提供することができる。
交通新聞社が提供するアプリ「デジタルJR時刻表」による列車時刻や乗換案内も閲覧できるほか、沿線の観光地が提供するアプリなどを各駅が独自にインストールすることで、観光情報案内の充実も図る。
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