JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」が18日、予讃線松山~伊予大洲・八幡浜間での営業運転を再開した。設備面の改良(トイレ増設など)を行う車両リニューアル工事のため、12月26日から運転を休止しており、約2カ月ぶりの運転再開となった。
「伊予灘ものがたり」はキハ47形を改造した2両編成の観光列車で、1号車「茜の章」、2号車「黄金の章」ともに伊予灘の絶景を眺められる海向き展望シートなどを設置。レトロモダンな車内で、アテンダントのサービスを受けながらゆっくりくつろげるという。「愛ある伊予灘線」経由で1日4便運転され、途中の下灘駅にも停車。朝の松山発伊予大洲行は「大洲編」、昼の伊予大洲発松山行は「双海編」、松山発八幡浜行は「八幡浜編」、夕方の八幡浜発松山行は「道後編」として運転される。
同列車は12月26日から2月17日まで運休となり、利用者の意見をもとに洋式トイレ増設などの車両リニューアル工事が行われた。2月18日からの運転再開にあたり、JR四国はリニューアルオープンイベントとして、伊予大洲駅にて「大洲編」「双海編」の折返し時間に式典を開催し、車内ではリニューアルオープンの乗車記念証などのプレゼントを行うことを発表していた。運転再開当日の下灘駅では、夕日の美しい時間帯、オリジナルBGMとともに入線する「伊予灘ものがたり」を沿線の人々や多くの観光客らが出迎えた。
「伊予灘ものがたり」は3月4日以降、夕方の「道後編」の時刻が一部変更される。伊予灘の絶景をさらに楽しめるように、これまで以上に速度を落として運転を行い、下灘駅での停車時間も現在の4分(17時9分着・17時13分発)から10分(17時17分着・17時27分発)に拡大される。これにともない、松山駅の到着時刻も18時22分着に変更される。
同じく3月4日から、各便とも下灘駅での下車・乗車が不可となる。「ものがたり列車の魅力をお客さまに存分に楽しんでいただくため」(JR四国)とした上で、「列車はこれまでどおり(下灘駅に)停車しますので、ご乗車のお客さまはホーム上にて絶景をバックに記念撮影等を行っていただけます」と説明している。