国立感染症研究所は12月13日、10都県でノロウイルスの患者数が警報レベルに達したと発表した。子育て世帯では、1人でも感染すると対応に追われるもの。家中を消毒したり、子どもの看病をしたり、果てには自らも感染し、動けなくなったりすることも。もう二度と、こんな経験をしたくない、と思っている人も多いだろう。
しかし冬に流行する感染症は、ノロウイルスだけではない。今回は、小学生までの子どもを持つ女性のマイナビニュース会員300人に「冬の時期、子どもがかかって最も恐ろしかった感染症」について聞いてみた。体験談とあわせてお伝えしよう。
Q.冬の時期、子どもがかかって最も恐ろしかった感染症は何ですか?
1位 インフルエンザ(42.0%)
2位 ノロウイルス(16.3%)
3位 風邪(13.3%)
4位 ロタウイルス(5.0%)
5位 マイコプラズマ肺炎(4.3%)
■インフルエンザ
・「こんなに苦しそうな子どもは見たことがなかったので、代わってあげたかったくらい。とはいえ、感染力が強いため、移らないようにすごく気をつけて看病をした」(38歳/百貨店/クリエイティブ関連)
・「タミフルを摂取した夜に子どもが幻覚を起こし、泣き叫び、バタバタと暴れたので、落ち着いて眠れませんでした。副作用についてはテレビなどで聞いていましたが、実際に自分の子どもが起こすとは思っていなかったので、恐ろしかったです。インフルエンザが流行する時期は、毎年思い出されるほど、トラウマになってしまいました」(48歳/百貨店/販売・サービス関連)
・「持病のぜんそくがあるため、重症にならないか心配だった」(43歳/生命保険・損害保険/営業関連)
・「鼻の粘膜が弱い子で、もともと鼻血が出やすいが、インフルエンザの時はさらに鼻血も出やすくなったみたいで、なかなか血が止まらず、口の方にも流れてきて怖かった。パニックになった」(45歳/その他/その他・専業主婦等)
・「40度を超える発熱で苦しむ子どもを看病するのは精神的につらい。『子どもの発熱はそういうもの』と聞いていても、不安なものです」(39歳/その他/その他・専業主婦等)
・「インフルエンザを発症して、自分も移り、看病があまりできず、夫にお願いをしたものの家事がいっぱいたまった」(43歳/化粧品・医薬品/会社員・公務員・団体職員)
・「インフルエンザのあと、マイコプラズマ肺炎になり、さらにおたふくかぜになった。インフルエンザで抵抗力が落ちることが恐ろしいと思った」(40歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
■ノロウイルス
・「上から下から、忙しい。必ず移る。絶対に嫌!」(40歳/その他/その他・専業主婦等)
・「嘔吐物の後始末が大変。しかも次々に家族に感染。自分に移ったときは、子どもの面倒もろくに見ることができず、自分も苦しいので大変だった」(42歳/家電・AV機器/販売・サービス関連)
・「吐いても吐いても吐き続けて、脱水になるかと思ったから。インフルエンザならタミフルなどの特効薬があるけど、胃腸炎は特効薬がないから」(47歳/その他/その他・専業主婦等)
・「吐き戻しが激しかったので、布団やシーツ、感染への注意、ゴミ処理、空気対策……大変でした」(37歳/その他/その他・専業主婦等)
・「嘔吐と下痢で洗濯物の山。感染を防ぐために塩素消毒の日々。自分もいつ感染してしまうのかという恐怖と、目に見えないウイルスが怖かった」(34歳/その他/その他・専業主婦等)
・「下痢もかなりひどく、嘔吐もあり、片づけがかなり大変。本人もお尻が痛く、喉も痛く、脱水症状を防ぐために水分をとることさえ怖いと言っていて、かわいそうだった」(42歳/その他/その他・専業主婦等)
■風邪
・「子どもが幼くて鼻をかむことができなかった時期は、鼻水をふくのが一苦労でした」(60歳/その他/その他・専業主婦等)
・「ゲホゲホ咳をしていて、寝付けないのを見ているのはつらい」(42歳/その他/その他・専業主婦等)
・「ぜんそく持ちなので、こじらせるとぜんそくが出る。寝ていてもしんどそうなのを見るのはつらい」(39歳/その他/その他・専業主婦等)
・「風邪からぜんそくになり、入院したから」(38歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「風邪で夜に救急外来に行ったら、ロビーで引きつけを起こしたので血の気が引きました」(41歳/繊維/事務・企画・経営関連)
■ロタウイルス
・「下痢がハンパなかった」(40歳/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「嘔吐を繰り返し、水分も取れず、食べられず、嘔吐物を処理するのも大変で、アルコール消毒は効果がなく、消毒液がきついため、洗濯すると生地がいたみ、色落ちした」(35歳/その他/その他・専業主婦等)
・「ゲロゲロ吐くし、掃除も大変だし、挙げ句の果てには家族でダウンすることが多い」(53歳/フードビジネス/営業関連)
・「白い便が何度も出て怖かったから」(33歳/医療用機器・医療関連/その他技術職)
■マイコプラズマ肺炎
・「発熱してすぐは血液検査で反応が出なかったため、風邪と診断されたが、薬が全く効かずに土日を含めて3日間、39~40度の熱が続いた。週明けにレントゲンでやっとマイコプラズマ肺炎と診断されて、やっと適正な薬を処方してもらえたので、かなり長いこと高熱が続くことになってしまった。熱で脳に影響が出ないかという不安、10日以上の看病で心身ともに疲労困憊という感じだった」(49歳/その他/その他・専業主婦等)
・「診断がなかなかつかずに、どんどんひどくなり、入院しました」(44歳/その他/その他・専業主婦等)
・「症状がひどくて入院した。ぜんそくもあって苦しそうで不安だった」(43歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「家族みんなに移ってなかなか治らなかった」(35歳/電力・ガス・エネルギー/事務・企画・経営関連)
総評
調査の結果、最も多かった回答は「インフルエンザ」だった。高熱で苦しむ子どもの様子を見るのがつらい、不安、といった内容が目立ったほか、薬の副作用や、肺炎などへの重症化が怖かったという意見も多い。
2位の「ノロウイルス」では、多くの回答者が、子どもが嘔吐・下痢を繰り返すことのつらさ、消毒・洗濯などの対応の大変さを挙げていた。家族で感染すると、大変さはさらに増すようだ。
「風邪」(3位)、「ロタウイルス」(4位)、「マイコプラズマ肺炎」(5位)についても同様に、子どもの苦しそうな様子を見るのがつらいと感じたり、入院するほどの重症化を経験したりと、親たちの苦労がうかがえる内容が目立った。
これからのシーズン、感染症の流行はますます本格化する。予防接種や手洗い・うがいなど、できる限りの予防対策をぜひ実行し、感染を防いでほしい。
調査時期: 2016年10月31日~2016年11月26日
調査対象: マイナビニュース会員(小学生までの子どもをもつ女性)
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません