サンクトガーレン(神奈川県厚木市)は11月17日のボジョレー・ヌーボー解禁日に、"麦のワイン"2種類を各8,000本限定で発売する。
両商品は、10%とワイン並の高いアルコール度数を持ち、ワインのように年単位の長期熟成が可能なビール。2006年より毎年数量限定で販売しているが、ここ数年は予約分のみで完売となる傾向があるため、今回は各1,000本増産した。
両ビールともに、原材料は通常のビールと同じ麦芽・ホップ・水・ビール酵母のみ。それらを膨大な量使用し、極限までアルコールを高めているという。麦芽は通常の2.5倍以上使用しているほか、麦汁も濃度の高い部分だけを使っているため、同社の醸造システムでは1回の仕込みで通常約2,000Lのビールが造れるところ、麦のワインはその半分の1,000Lしか造れないという。
ビールの苦味と香りの基になるホップは、小麦麦芽を原料とした"Wheat Wine(ウィートワイン)"で2.7倍、大麦麦芽を原料とした"Barley Wine(バーレイワイン)"では6倍以上もの量を使用。そのため、特にバーレイワインは通常のビールとは比較にならないほどの濃厚さとともに、華やかな香りと、重厚な苦味をあわせもっているという。また、非常に濃厚で蜜のようにとろりとした口当たりが特徴で、特にウィートワインの主原料である小麦は大麦よりもタンパク質が多いため液の粘度が強くなり、より"とろみ"を感じる仕上がりとなる。
熟成期間は通常の6倍以上で、繁忙期の夏の間中タンクを占領し続け完成までにかかるコストが並大抵ではないことから、日本で造っているメーカーはわずかとのこと。
両商品は、すぐに飲んでもブランデーを思わせる熟成感があるが、購入後に1年、2年と熟成させることで、香りも味わいも深みを増し、複雑味を帯びてドライフルーツを思わせる甘味が生じるという。通常、ビールは新鮮なできたてのもののほうが喜ばれるが、"麦のワイン"では逆で、ビールファンの間では古いほど価値が高いとされているという。賞味期限は5年間となっているため、多めに購入して熟成させ、前年のものと飲み比べを楽しむ人や、結婚した年や出産の年の記念に購入し、節目の年に楽しむ人も多くみられるとのこと。
仕上げにはシャンパンと同じ瓶内2次発酵製法を採用。発酵の終了したビールから古いビール酵母を取り除き、新しいビール酵母と糖分(麦汁)を添加して1本1本手作業で密封している。そのため、栓を開ける瞬間まで発酵が続くビールとなっている。
今回発売する2種類の"麦のワイン"のうち、バーレイワインの商品名は「el Diablo 2016/エル ディアブロ 2016(悪魔)」、ウィートワインの商品名は「Un angel 2016/ウン アンヘル 2016(天使)」。ともに容量300mlで、希望小売価格は各税別1,000円となる。