ヤフーはこのほど、東京本社を「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京都千代田区)に移転した。週休3日制の導入検討、月に2回オフィス以外で勤務することができる「どこでもオフィス」や新幹線通勤の導入など、さまざまな"アップデート働き方"に取り組む同社の新しいオフィスを見学してきた。
同社副社長執行役員 最高執行責任者の川邊健太郎氏は、「情報やアイデアの交差点をオフィスの各所につくっていきたいなと考えています。イノベーションというのはゼロから新しいものをつくるのではなく、既存のアイデアの新しい組み合わせ。いろんなアイデアを持った社員が交差点で出会うことによって、新しいサービスがつくられます」と話す。
ジグザグに配置されたフリーアドレス制の机
新オフィスで新たに導入されたのは、社員の席を固定しない「フリーアドレス制」。社員同士のコミュニケーションを増やすために、机はあえてジグザグに配置されている。
窓際にはミーティングを行えるスペースをつくり、あえてオフィス内を歩き回るような仕掛けにしているという。ソファやカーペットを置いたフリースペースや、集中して業務を行いたいときのためのブースも用意されている。
社外の人も利用できるコワーキングスペース
また川邊氏が新オフィスのポイントとするもう一つは、"オープンコラボレーション"。「LODGE(ロッジ)」と名付けられたエリアは、従業員だけではなく社外の人も利用できるコワーキングスペースで、11月1日のオープンを予定している。広さは1,330平方メートル。キッチンとスタジオ、社員食堂、カフェ、先端技術応用室を備える。営業時間は平日9時~21時、土日10時~21時。利用料金は2017年3月末まで無料、それ以降は有料化含めて未定とのこと。社員と外部の人、また外部の人同士で新しいイノベーションを起こす場となることが狙いだ。
「必ずしも出勤しなくても、作業レベルでいうと自分の家でもできるし、近くのカフェでもできる。『なぜ会社に行くのか?』という問いから始めたい。人と情報がそこに集まってイノベーションを生み出せるから会社に行く。異なるアイデアを持った社員同士や外部の人がここで話し合って新しいアイデアが生まれるようになれば」(川邊氏)。