体調不良や慣れない育児など、何かと不安な産前・産後期に、妊産婦の支援を行う自治体は少なくない。ただし、サービスを利用できる条件には「リフレッシュのため」が認められる場合もあれば、産婦や新生児の世話をする介助者がいない人のみが受けられる場合もある。
今回は23区が行う産前・産後支援についてアンケート調査を行い、両親学級や歯科検診などほとんどの自治体が行うサービスを除く支援についてまとめた。
支援の内容はさまざま
支援の内容としては主に、(1)授乳・沐浴・おむつ交換・育児相談などの「育児支援」、(2)食事の支度・買い物・掃除・洗濯などの「家事支援」、(3)母体ケアや育児相談などの「産後ケア」のほか、それらのいくつかの支援を組み合わせて行うパターンがあった。
利用料金は、一部で無料のものもあるが、1時間1,000円前後を設定するところが多い。なかには初産婦のみを対象とするなど条件付きの場合もあるので、詳細についてはお住まいの自治体のHPなどで確認してほしい。
子育てバウチャー券を発行する世田谷区、品川区ではホテルでの産後ケアも
23区のなかで、比較的充実した妊産婦サービスを提供しているのは、世田谷区。子育て・家事支援のヘルパーを6時間まで無料で受けられる利用券を交付するほか、区内の産後ケアセンターなどで、ショートステイやデイケアを格安料金で利用できるよう助成している。
また、今年7月からは、妊娠期から就学前までの切れ目ない支援を打ち出した「世田谷版ネウボラ」を開始。妊娠期の面接時に、1万円分の産前・産後サービスが受けられる子育てバウチャー券「せたがや子育て利用券」を配布している。利用できるサービスは、マタニティヨガ・ビクスから子どもの一時保育、読み聞かせやリトミック講座など幅広い。
やはり妊娠期からの切れ目ない支援を掲げる品川区では、産後ケアの専門家である「産後ドゥーラ」を利用する際の料金を助成している。内容や料金は事業者によって異なるが、家事・育児支援だけでなく産後ヨガやベビーマッサージ、アロマトリートメントなども選択可能。助成を利用すれば1時間あたり1,000円以内の負担でおさまることもある。
また、区内のホテルを利用した珍しい産後ケア事業も今年6月から始まった。内容は助産師らによる産後の疲労回復ケアや母乳ケア、育児相談などで、ルームサービスの昼食付きだ。初産婦の不安解消とリフレッシュを図るのが目的という。
その他の自治体の支援内容については、下記の一覧表を参考にしていただきたい。
このように産前・産後の支援と一口に言っても、自治体によって提供する内容はさまざまだ。この時期には「誰かの支援を受け」「リフレッシュする」ことも母親の大事な仕事。事前によく調べて、最大限活用することをオススメする。
※詳細な条件については、各自治体にお問い合わせください
※本記事の内容は、2016年8月時点の情報として自治体から得た回答を盛り込んだものです
※写真と本文は関係ありません