一人暮らしを始めるとき、「フローリング用ワイパーがあれば掃除機はいらない」というSNSで見かけた投稿を真に受けて、ハンディ掃除機すら買わずにフローリングワイパーのみで新生活を開始した。後から粘着シートローラーとハンディータイプのモップを買い足したが、今もほとんどそれだけで部屋中を掃除できている。フローリング用ワイパーのドライシートでホコリをとり、ウェットシートに付け替えて汚れやベタつきをとるのだ。週に1度でも部屋中にかければけっこうキレイになる。
唯一苦戦するのは、こういうタイプの汚し方をしてしまった時だ。初めてやらかした時は、15分ほど途方に暮れてから100円ショップで小さいホウキとチリトリを買った(小麦粉を無駄にしないためクッキングシートを床に敷いて再現) |
キーワードは"コンパクト"
そんな感じで六畳一間のわが家の清掃を一手に引き受けてくれていたフローリング用ワイパーだが、このたび、より強力なライバルが登場した。ロボット掃除機「ルンバ」シリーズで有名なアイロボットが製造した床拭きロボット「ブラーバ ジェット 240」(公式オンラインストア価格3万2,270円)である。
「ブラーバ」は床の"拭き掃除"に特化したロボット掃除機のシリーズで、"から拭き"と"ぬれ拭き"の両方をこなせる優れもの。従来モデルもフローリング用ワイパーの代用として十分すぎる性能を持っているが、なぜ新商品の「ブラーバ ジェット 240」が"強力なライバル"なのか。それは、同商品が"圧倒的にコンパクトだから"である。
一人暮らしにこそブラーバ ジェットなのでは!?
「ブラーバ ジェット 240」は、これまでの「ブラーバ」とは一線を画す外観だ。ピュアホワイトとライトブルーのツートンカラーで、上から見ると正方形に近く、持ち運び用のハンドルも備える。
先に結論を言うが、要は「『ブラーバ ジェット 240』はかなり一人暮らし向きの商品なのでは!?」ということが言いたいのである。このページではこれからその結論を導くための理屈を延々と書いていくので、特に興味がない方は読み飛ばして、次のページの使用感レビューに飛んでみるといいだろう。
"大きい方のブラーバ"と比べてみる
さて、「ブラーバ ジェット 240」と、これまでのデザインを継承した「ブラーバ 380j」とのサイズおよび主なスペック比較は下記の通り。
■ブラーバ ジェット 240
・サイズ: 幅178×奥行き170×高さ84mm
・重量(バッテリー装着時・クリーニングパッド除く): 約1.2kg
・最大稼働面積: 15畳(ウェットモップモードの場合12畳)
・清掃モード: ドライスウィープ・ダンプスウィープ・ウェットモップの3種類
・公式オンラインストア価格: 3万2,270円
■ブラーバ 380j
・サイズ: 幅244×奥行き216×高さ79mm
・重量(バッテリー装着時・クリーニングパッド除く): 約1.8kg
・最大稼働面積: ドライモードで112畳(付属のNorthStarキューブ使用時)、ウェットモードで20畳
・清掃モード: ウェット・ドライの2種類
・公式オンラインストア価格: 4万2,120円
高さは5mmだけ「ブラーバ ジェット 240」の方が高いが、幅と奥行きはコンパクト。ちょっとした隙間に収まるので収納しやすい。また、「ブラーバ 380j」では付属品として急速充電スタンドがつくが、「ブラーバ ジェット 240」は外付けバッテリーを充電する方式で、充電スタンドはない。逆に言えば、スタンドの置き場に悩むこともないということだ。
また、洗濯可能なクリーニングパッドではなく使い捨てのパッドにのみ洗浄剤が含まれており、これを装着することで100%の能力が発揮できるようになっている。この点で、洗濯可能なクリーニングクロスでの使用を基本とした「ブラーバ 380j」との使用感も異なる。最大稼働面積は「ブラーバ 380j」には劣るが、"使い捨て"が主軸なので、手入れの手間が省けるのも一人暮らし向きではないだろうか。
また、本体価格の安さも魅力。小売価格はモデルや購入のタイミング、店舗によって幅があるが、現時点での「ブラーバ ジェット 240」と「ブラーバ 380j」の公式オンラインストアでの価格を比べる限り、「ブラーバ ジェット 240」の方が1万円ほど安い。「ブラーバ ジェット 240」の使い捨てパッドは10枚セットで各種1,296円とランニングコストは比較的多めにかかるが、「ブラーバ 380j」のクロスも半永久的に使えるわけではなく、交換用クロスセット(ドライクロス2枚・ウェットクロス1枚)は1,944円だ。
というわけで、かなり「一人暮らし向き」であるという仮説を立てた「ブラーバ ジェット 240」。次のページでは、その使用感を紹介する。