プラスチック製の水筒を使っている人は要注意だ

汗で体内の水分がどんどん奪われていく夏は、水分補給が欠かせない。職場にも、自宅から持参したマイボトルで一息いれている人がいるだろう。ただ、そのマイボトルがプラスチック製の水筒ならば、ちょっと注意が必要かもしれない。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど、「プラスチックの水筒とバクテリアの関係」に関するコラムが掲載された。プラスチックの水筒は、さまざまな菌で汚染されているかもしれないというのだ。

例えば、プラスチックの水筒を持参してジムに行ったとしよう。ワークアウトし終えたら、その水筒に冷水機の水をためて喉を潤す。もちろん、一生懸命運動した後の水分補給はとても重要なことだが、それが病気の原因になりかねないとしたらどうだろうか――。

最近新たに報告された研究によると、プラスチックの水筒はトイレの便座よりも細菌まみれの可能性があるという。そして、詰め替え可能な水筒で水を飲む行為は、犬のおもちゃをなめるよりも汚いとのこと。

実際、アスリートが1週間にわたり使用した、中身の詰め替えが可能な12個の水筒を検査したところ、注ぎ口やキャップに数千にもおよぶバクテリアがいることが判明。平均的な水筒には、バクテリアによる30万以上ものコロニーが形成されていた。しかも、その大半が大腸菌やサルモネラ菌のような有害なバクテリアだったという。皮膚感染症や肺炎、敗血症に関与するバクテリアも繁殖していたことが確認されている。

中でも、アニメキャラクターなどが用いられていることが多い「スライドトップ式」の水筒でバクテリアが多く見つかった。平均して1平方cmあたり90万のバクテリアコロニーが確認されたという。このタイプの水筒では、皮膚感染症や肺炎、敗血症に関与するグラム陽性球菌が最も多く繁殖していた。スクイーズトップ式水筒が2番目に悪く、1平方cmあたり16万2,000のバクテリアコロニーが形成されていた。

最も安全なのはストロー付きの水筒で、1平方cmあたり25のバクテリアコロニーしか確認されなかった。今回の実験結果から、このストロー付き水筒が最も推奨できることがわかる。また、プラスチックよりもステンレス製の水筒の方がよいことも示唆されている。

市販されている標準的なミネラルウォーターのボトルを再利用した経験がある人もいるだろう。ただ、専門家はペットボトルに直接口を付着させて飲むと、口腔内の細菌類がボトルに混入して増殖すると指摘している。水筒を使用した後は、食器洗浄機や自身の手で徹底的に洗うのがよいだろう。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。