災害時の緊急連絡用や、塾に通い始めたなどの理由で、小学生の子どもに携帯端末を持たせたいという家庭もあるだろう。しかし、小学生の子どもに、大人用の端末を持たせてしまうと、機能が多すぎて使いこなせない上、出会い系被害やフィッシング詐欺などが心配だ。
特に低年齢の子どもの場合は、安全面を考えると、子ども用端末を持たせるのが安心。子ども用端末には、キッズケータイ、キッズスマホ、子ども用スマートウオッチなどがあるが、一体どれを持たせたらいいのだろうか。
制限が強く、料金が安いキッズケータイ
子ども用の端末のほとんどは、通話やメール、インターネットなどの利用制限機能や、子どもの居場所を確認できるGPS機能がついている。防犯ブザー機能もあり、ブザーを鳴らした時には居場所が確認できるなど、安全確認機能が充実していることが特徴だ。その他、子どもが利用するため、防水・防塵(ぼうじん)機能があるものが多くなっている。
キッズケータイとキッズスマホの違いは、基本的にはフィーチャーフォンとスマートフォンの違いになる。キッズケータイは制限が特に強く、通話やメールは登録した相手のみで、電話帳に登録していない相手への発信やメールはできない。さらに、インターネット利用は基本的になしだ。利用料金が、高くても月額1,000円程度と、安く抑えられるのもうれしい点だ。小学校低学年など年齢が低く、連絡が取れて安全を確認できれば十分という場合に向いているだろう。
自由度が高く、学習アプリも使えるキッズスマホ
一方のキッズスマホは、キッズケータイと比べてかなり自由度が上がる。通話・メール・インターネットともに制限できるが、自由に使えるよう、設定することもできる。地図アプリや学習アプリなどの便利な機能も、ダウンロードすれば利用することができるのだ。逆に言えばその分、保護者が子どもと話し合いながら制限する内容を決めて設定する必要がある。
また、利用料金は月額4,000~5,000円前後と、キッズケータイに比べて4,000円程度高くなる。既にある程度、携帯端末を使いこなしていたり、年齢が大きかったりする子どもに持たせる場合は、こちらの方がいいかもしれない。
なくさないキッズウオッチ、料金はケータイとスマホの中間
そして最近登場したのが、子ども用スマートウオッチだ。腕時計型やペンダント型で身につけておけるので、なくしづらいのが特徴。GPS機能や防犯ブザー機能はもちろん、通話やメールも利用できるが、インターネットは端末によって使えるものと使えないものがある。
利用料金は利用プランによって異なるが、1,000~2,000円程度で、キッズケータイとキッズスマホの中間。端末をなくしかねない子どもに端末を持たせる際、向いているだろう。
どんな子どもにどんな端末が向いている?
まとめると以下のようになる。
子ども向け端末の共通点
通話・メール・インターネットの制限機能、GPS機能、防犯ブザー機能、防水機能などが付いている。
キッズケータイ
機能が制限されており、他の使い方ができないので安心。利用料金が安く、低年齢の子ども向き。
キッズスマホ
制限もできるが自由に使うこともでき、保護者が機能を知った上で設定する必要がある。利用料金がキッズケータイと比べて高めで、もう少し年上の子ども・活用したい子ども向き。
子ども用スマートウオッチ
なくしづらいのが特徴。利用料金はキッズケータイとキッズスマホの中間。
自分の子どもの年齢や発達段階、求める機能や維持費などを総合的に考えて、端末を選ぶ参考にしていただければ幸いだ。なお、機能や料金などはキャリアや個々の端末によって異なるので、購入する際には個別に確認してほしい。
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著者プロフィール: 高橋暁子
ITジャーナリスト。
書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。
『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)など著作多数。テレビ・新聞・雑誌・ラジオ等メディア出演多数。Twitterは@akiakatsuki。
自身のブログ「高橋暁子のソーシャルメディア教室」で情報発信も行っている。