財務省が8月8日に発表した2016年上半期(1~6月)の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取り引き状況などを示す経常収支は前年同期比31.3%増の10兆6,256億円の黒字となった。
貿易収支、5年ぶり黒字転化
上半期としては2007年(12兆6,993億円の黒字)以来、9年ぶりの高水準、リーマン・ショック後では最大の黒字幅となる。同省は「輸入額の減少により貿易収支が黒字に転化したことと、サービス収支が赤字を縮小したことが要因」と分析している。
貿易・サービス収支は2兆1,441億円の黒字。2010年下半期以来、5年半ぶりに黒字転化した。
貿易収支は2兆3,540億円の黒字。2011年上半期以来、5年ぶりに黒字転化した。鉱物性燃料の輸入額が減少したことなどが要因。
輸出額は同10.8%減の33兆8,214億円と、2期連続の減少。輸入額は同17.8%減の31兆4,674億円と、3期連続で減少した。
サービス収支は2,099億円の赤字。赤字幅は同7,234億円縮小し、1996年以降半期として最少の赤字となった。その他サービス収支が赤字幅を縮小したほか、旅行収支が半期としては過去最大の黒字となったことが反映された。
第1次所得収支は9兆6,129億円の黒字。「証券投資収益」が減少したことなどにより、黒字幅は同7.9%縮小した。
2016年6月の経常収支(速報)は9,744億円の黒字となり、2014年7月以来、24カ月連続で黒字を確保した。