日本百貨店協会は4月19日、2016年3月の全国百貨店売上高概況を発表した。それによると、売上高総額は5,277億円となり、既存店ベース(店舗数調整後)では前年同月比2.9%減と2カ月ぶりに前年を下回った。同協会は「春物衣料の苦戦が一番大きな要因」と分析している。
気温低下で春物衣料の売れ行き鈍る
3月は気候変動が激しく、特に中旬以降は気温が低下し春物衣料の売れ行きが鈍化。また、円高や株価低迷などによる消費マインドの冷え込みも影響した。地区別にみると、東京は1年ぶりに前年割れ、京都のみプラスとなり、10都市計は同1.7%減に落ち込んだ。
商品別では、主要5品目のうち雑貨が同2.6%増と12カ月連続プラス。一方、身のまわり品は同4.9%減、衣料品は同6.7%減など4品目でマイナスとなった。細分類では、化粧品が好調で同13.0%増と12カ月連続のプラスとなった。
訪日外国人動向をみると、売上高は同13.2%増の約157億円、購買客数も同31.0%増の約23万人と38カ月連続のプラス。一般物品売り上げは減少したものの、消耗品売り上げが伸びており、消費スタイルに変化がうかがえるという。
同協会は今後について、「4月前半は気温が不安定だったため、足元は若干マイナスとなっており、暖かくなって衣料品が動けばどこまでばん回できるかというところだ。また、大型連休にかけて入店客数が増加すればプラス要因となってくる」と話している。