『ケトジェニックダイエット 糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる! 』の著書・斎藤糧三医師

ケトジェニックダイエットについて著者・斎藤糧三医師にインタビュー

――「ケトジェニックダイエット」は運動しなくても痩せますか?

もちろん、運動しないよりはした方がいいのですが、ケトジェニックダイエットでは、運動をしたときと同等の体重の変化が見込めます。糖質を制限してたんぱく質の量を増やせば、筋肉がついて脂肪の蓄積をブロックできますので。ご高齢の方にもおすすめです。

――働いていると、急な飲み会などでダイエットができない日もあります。ゆるくやってもいいのでしょうか?

翌日から頑張ったほうがいいですね。もしケトジェニックダイエット中におむすびを1つ食べたら、そこで痩せる回路が止まりますから。それが1食でもあれば、その日は痩せる可能性が低くなってしまいます。それ以上ならもっと。"今日はしょうがない、次の日から頑張る"と思って切り替えましょう。

――残業で帰りが遅いこともあって……。食べる時間が遅くなっても、お肉を食べないとダメですか?

食べられるなら食べてください。でも寝る前の3時間以内に食べると、交感神経が高まって睡眠の質が落ちるといわれているので注意しましょう。ちなみに、睡眠時間は7時間より多くても少なくてもよくありません。

――より効果を得るためには、牛なら牛と同じ種類の肉を食べ続けたほうがいいですか? それとも変えたほうが?

牛肉は亜鉛などの栄養素が多く含まれるのでおすすめですが、好きな肉を食べて大丈夫。同じ種類を食べ続けても効果は出ますよ。肉が食べられない人や苦手な人は、大豆製品や魚でも問題ありません。

――糖質制限ダイエットの中には、肉・卵・チーズを中心に食べる「MEC(メック)食」もあります。先生は卵のアレルギーだとお聞きしました。特に卵や乳製品のアレルギーがなければ、MEC食でもいいのでしょうか?

いやいや、アレルギーに気づいていない人がかなり多いんですよ。遅延型アレルギーというIgE抗体が関わっているタイプは、アレルギー症状に気づきづらいですし、なかなか検査もしないでしょう。その点、肉は人間が長い間食べてきた食材ですので、アレルギーが起こりにくく、よりリスクが少ないと思います。あなただって卵や乳製品のアレルギーかもしれないよ? 顔色悪いし(笑)。

――部屋が暗くても顔色悪いの、わかりますか!?

(笑)。女性の場合は生理があるから貧血の可能性もありますが、アレルギーの人はヒスタミンが出て血行が悪くなるんです。ケトジェニックダイエットは血行がよくなるので、試してみたら顔色も改善すると思いますよ。

――他に女性にとっておすすめな点はありますか?

一番は「たるまないよ」ってこと。筋肉をつけないと体はたるんじゃいますが、タンパク質を摂取して筋肉をちゃんとつけておくと、太りにくくなるし、たるみません。

――男性に向けてのメリットは?

例えば健康診断の前にケトジェニックダイエットをやれば、脂肪肝の値は正常になると思いますよ。

――ありがとうございました。

糖質を制限しながらタンパク質などの栄養素を補うケトジェニックダイエット。同書では、糖質の体への影響、肉やタンパク質の健康効果、ケトン体回路を回して痩せる理論などがわかりやすく解説されている。痩せる以外に、さまざまな健康・美容効果が期待できることも興味深い。挑戦する際は、同ダイエットのルールを守って、正しい方法で行うようにしよう。