中学生のときにみた映画で、主人公が虫を食べるシーンに「うわっ、こんなの絶対無理」とショックを受けたことがある。大人になってからも、「虫を食べるのは絶対に無理」という意思は変わらなかった。そんななか、宮下企画が運営するジビエ(野鳥獣)料理店「米とサーカス」(東京都・高田馬場)が「昆虫食フェア」をやっていることを聞きつけた。もう、行くしかない! 腹を括って虫に初挑戦してきた。
昆虫食フェアは、昆虫を食べやすく調理し、気軽に試してもらうことを狙いとして開催するもの。メニューには、「ゲンゴロウ」や「カイコ」「イナゴ」など、実家の近くで見ていた昆虫の名前が並んでおり、思わず「マジで食べるのかよ……」と本音が漏れそうになった。しかし、未知なる味を伝えたく、筆者は"箸を置かない"と決めたのだ。
昆虫のフルコース、気になる味は……?
まず運ばれてきたのは、「イナゴの佃煮」(税込470円)。宮下計画の広報担当者は、「長野県などでは普通に食べられているので、入り口にはもってこいです」と言うが、昆虫食初心者にはこれだけでもなかなか勇気がいる。覚悟を決めてひと口。ぱりぱりとした食感は小エビのようで、味は醤油や砂糖などで煮てあるので甘辛い。「あれ? 意外といける……?」
同じように、「スズメ蜂の子の甘露煮」(税込500円)も虫というよりは、豆の煮付けのようだった。
続いて、「カイコの茶碗蒸し」(税込480円)が登場。親指くらいの大きさのカイコが茶碗蒸しの表面に浮いている。イナゴとスズメ蜂の子を食べたせいか、すでに昆虫に対しての苦手意識は消えた筆者。カイコは地面から掘り出したような独特の風味があったが、茶碗蒸しの具としてはありだと思えた。ただ、見た目的にはやはりつらいものがあるかも……。
羽アリの卵を使った「アリ卵の出し巻き卵」(税込700円)と「アリチャーハン」(税込900円)は、食感が特徴的。出し巻き卵ではぷちっとした食感、チャーハンではクロアリのカリッとした食感が楽しめる。
続いては強烈なインパクトを放つサソリに挑む! サソリとセットになっているのはアノ野菜である。