鼻の肌トラブルの代表例の一つといえる「毛穴」。鼻は顔の中心にあるだけに、特に女性は化粧などをする際にその黒ずみや開き具合が気になる人も多いようだ。
この難敵、どのように攻略すればよいのだろうか。南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長である服部英子医師に話を伺った。
顔の毛穴が目立つのは皮脂腺が多いため
毛穴は体のいたる場所にあるが、特に顔が目立って見えるのは皮脂量に関係がある。
「顔の毛穴が開いたり目立ったりするのは、『皮脂腺』とよばる皮脂分泌が活発な場所が発達しているからです。男性の場合はひげが生える場所も毛穴が目立ちやすいですね」。
余分な皮脂は毛穴を広げるだけではなく、皮膚表面にとどまっている汚れや古い角質などが皮脂と混ざって角栓を形成すると、毛穴の黒ずみにもつながるため要注意だ。皮脂の過剰分泌の他には、たるみやニキビ跡も毛穴が開いて見える原因になる。
「高齢の方になると『涙状毛穴』といって、丸っぽい毛穴が楕円(だえん)のようになって、より大きく開いて見えるんですね。さらにたるみとその長い毛穴が相まってくると、しわと毛穴が混在してしまい、毛穴なのかしわなのか見分けがつかないような状態になります」。
クレンジングはオイルを用いてしっかりと
メイク落とし不足などが原因とされる「黒ずみ・角栓タイプ」や、皮脂量の過剰分泌などによって毛穴が開く「開大毛穴タイプ」、毛穴がポツポツと白く見えて目立つ「ざらつき・皮脂つまりタイプ」など、毛穴のトラブルには複数のタイプがある。
ただ、ホームケアにおける「洗顔の重要性」は変わらない。服部医師によると、必ずしも正しくない洗顔方法で毛穴ケアをしている人も少なくないという。その好例がクレンジングだ。
「毛穴ケアのためには、やはり過剰な皮脂は洗い流した方がいいです。そのため、クレンジングにはオイルあるいはクリームを使ってもらうようにしています。場合によっては、代謝を促したり角質を軟らかくしたりするため、にきび治療などで用いる『イオウカンフルローション』を一緒に使ってもらうよう、処方する場合もあります」。
皮脂分泌が活発な男子中高生で特に多いのが、この洗顔不足による毛穴トラブルだ。男子は普段からスキンケアをしないため、鼻周りの毛穴は角栓が詰まり気味になっているケースが多いとのこと。メイクなどの汚れも毛穴トラブルの原因になるため、女性は毎日きちんとメイクを落とすようにしよう。