ふくおかフィナンシャルグループ(以下FFG)は22日、同グループ傘下の福岡銀行において、西鉄グループ(以下西鉄)およびジェーシービー(以下JCB)との間で、西鉄が発行する交通系ICカード「nimoca」を搭載した「デビットカード」の発行について、2016年秋の商品化を目指すことで基本合意したと発表した。
キャッシュレスで買い物ができ、使い過ぎの心配がなく現金感覚で利用可能
デビットカードは国内外約2,800万店のJCB加盟店において、キャッシュレスで買い物ができ、利用の都度顧客の指定口座から引き落としをすることから、使い過ぎの心配がなく、現金感覚で利用できる商品。更に、デビットカードに交通系ICカード「nimoca」を搭載することにより、電車・バスなどの公共交通機関での移動や、nimoca加盟店での電子マネーによる買い物など、日常生活の様々なシーンで利用できる利便性の高いカードだという。交通系ICカードを搭載した国際ブランドデビットカードの商品化は国内初の取組みとなるという。
FFGによると「デビットカードで利用している口座をアプリに登録し、買い物や目的別預金などを利用することで、クーポンやポイントなどの付与を検討しており、お客様にとってより便利なサービスを提供していきたい」としている。
FFGでは、今後本格的に到来するキャッシュレス化の進展を踏まえ、デビットカードを通じて顧客の多様なニーズに応えるとともに、更なる利便性とサービスの向上を目指していくとしている。
金融サービスプラットフォーム:iBank(仮称)の構築に向けた準備を推進
FFGでは、中期経営計画で掲げる『お客さま起点』の構造改革における取組みの一環として、スマホ/モバイルファースト時代に即した新しい顧客体験・価値を提供する金融サービスプラットフォーム:iBank(仮称)の構築に向けた準備を進めているという。
同取組みは、スマートフォンの急速な普及や情報通信技術(ICT)の劇的な進化に伴うライフスタイルの変化に対応するため、銀行自らがイノベーティブなサービスを創出する"FinTech"領域に挑戦する新たな試みとなるとしている。
このたび発行予定のデビットカードも、現在開発中のスマートフォンのアプリを通して、iBankをより便利に、よりお得に利用してもらうためのサービスラインナップの1つであり、2016年の夏を目処に新たなマネーサービスとしての立上げを予定している。
金融サービスプラットフォームの概要(予定)
このたびのサービスでは、デビットカードとスマートフォン(アプリ)を組み合わせて利用することで、日常の買い物時におけるキャッシュレス決済に加え、日々の収支管理やクーポン利用による利便性の向上を図ると共に、銀行ならではの新しい貯蓄体験を提供するという。
また、今回構築する金融サービスプラットフォームでは、FFGの取引先(法人)をはじめとした様々な業界・業種のパートナー(異業種)との連携によるエコシステム(※)型のビジネスモデルを展開することで、利用する顧客(個人)には、FFGによる金融サービスだけでなく、日常生活や人生において必要な各種サービスの紹介・提供をはじめとした、これまでの金融機関の枠組みに捉われない新しいサービス体験の場を提供することを目指すとしている。
(※)「エコシステム」とは、本来は自然界の「生態系」を指す用語だが、ここでは、複数の企業が事業活動などで連携し、互いの強みを活かしながら、消費者や社会を巻き込んで業界の枠を超えて広く共存共栄していく仕組みのことを言う。
FFGでは、世界大手の総合コンサルティング企業であるアクセンチュアと協力して、同サービスの開発を行うとともに、地域経済におけるエコシステム型のビジネスモデルの展開に賛同・共感してもらえる事業パートナーとの連携を進めていくとしている。