ゼネラルパートナーズが運営する障がい者雇用の調査・研究機関「障がい者総合研究所」は、障がい者雇用に取り組む企業担当者94名に対し、「精神障がい者の雇用に関するアンケート調査」を実施した。調査期間は4月23日~5月1日。

55%が「精神障がい者の採用を検討している」

精神障がい者をこれまで雇用したことはあるか尋ねたところ、57%が「精神障がい者として採用し、雇用した事がある」と回答した。現在、精神障がい者の採用を検討しているかという問いに対しては55%が「検討している」と答えている。

精神障がい者をこれまで雇用したことはありますか?

採用を検討している理由について聞くと、「精神障がい者の雇用を進めており、一定の成果が出ているため」「優秀な人材が多く残っているため」「職務によっては高いパフォーマンスを発揮する可能性があるため」といった回答が寄せられた。

一方、採用を検討していない理由については「顧客との接点がある仕事のため、精神障がい者の雇用には不安を感じる」「業務と、障がいにより配慮が必要な部分がマッチしない」「職場内の理解が難しい」といったコメントがあった。

精神障がい者を採用することに不安を感じるか尋ねると、「とても感じる」「どちらかと言えば感じる」を合わせ、90%が「不安に感じる」と回答した。

精神障がい者を採用することに不安を感じますか?

採用する上での不安を聞くと、最も多い回答は「体調および勤怠が安定して働けるか」(84%)だった。次いで「精神障がい者が職場に馴染む事ができるか」(71%)、「従業員が障がいについて理解・配慮できるか」(67%)、「会社内に適当な仕事があるか」(56%)となっている。

精神障がい者を採用する上での不安を具体的に教えてください

入社後の定着、66%が「うまくいっている」

精神障がい者の入社後の定着について聞くと、66%が「うまくいっている」と回答した。定着のために課題に感じていることを聞くと「症状発症のタイミングの見極めが非常に難しい」「無理ができないため、フォロー分の作業をどうするか」「勤怠が安定しないことにより配属組織の業務工数が増加する点」などが挙げられた。

精神障がい者の採用について社内の理解を得るため、行なっている事を聞くと、「特に何もしていない」「人事等の採用部門による情報発信」が同率(35%)で1位だった。定着が上手くいっていると回答した企業では、特に「人事等の採用部門による情報発信」「従業員向けの説明会の開催」という回答が多くなっている。

精神障がい者の採用について社内の理解を得るため、行なっている事を教えてください(定着が上手くいっていると回答した企業・定着が上手くいっていないと回答した企業のみ抽出)

精神障がい者の入社後のフォロー体制については、「配属先の上司による定期面談を実施している」(47%)が最も多かった。積極的に精神障がい者の雇用を進めるために、必要な支援や情報は何だと思うか聞くと、「雇用・定着の具体的な成功例の共有」「精神障がい者の労働実態の情報展開」「採用時のアセスメントの注意点」といった回答が寄せられた。