トヨタ自動車はこのほど、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。併せて、同チャレンジの実現に向けて、当面の実行計画である第6次「トヨタ環境取組プラン」を策定し、2016年度から2020年度までの5カ年計画として展開を図る。

トヨタ自動車の燃料電池自動車(FCV)「ミライ」

「トヨタ環境チャレンジ2050」は、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げている。

6つのチャレンジとは、「新車CO2ゼロチャレンジ」「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」「工場CO2ゼロチャレンジ」「水環境インパクト最小化チャレンジ」「循環型社会・システム構築チャレンジ」「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」。

「新車CO2ゼロチャレンジ」では、2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を2010年比で90%削減にチャレンジ。具体的には、燃料電池自動車(FCV)の販売を、2020年頃以降にグローバルで年間3万台以上、日本では年間では1万数千台程度とし、燃料電池(FC)バスを2016年度中に東京都を中心に導入開始、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて100台以上を目途に準備を推進。ハイブリッド車(HV)の販売は、2020年までに年間で150万台、累計で1,500万台などの目標を掲げている。

その他、「ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ」では、ライフサイクル視点で材料・部品・モノづくりを含めたトータルでのCO2排出ゼロ。「工場CO2ゼロチャレンジ」では、2050年グローバル工場CO2排出ゼロ。「水環境インパクト最小化チャレンジ」では、各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理。「循環型社会・システム構築チャレンジ」では、日本で培った"適正処理"やリサイクルの技術・システムのグローバル展開に向けて、2016年から2つのプロジェクトの開始。「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」では、自然保全活動をグループ・関係会社から地域・世界、そして未来へつなぐために、2016年から3つのプロジェクトの展開を目標としている。