「生まれ変わっても、今の配偶者と結婚したいと思いますか?」と聞いてみました(2010年ナンバーワン戦略研究所調べ調べ/各県出身者既婚男女50人ずつ)。
「生まれ変わっても、今の配偶者と結婚したいと思う」と答えた人が夫で61%、妻で49%いました。「ええ! そんなに多いの?」と思う人も、「ええ! そんなに少ないの?」と思う人もいるでしょう。
男性のほうが高いという結果になったのは、現在の妻をそれなりに評価している人に加え、今の妻には不満はあるが、かといって、この先、自分の理想の女性と結婚できる可能性は低いという「あきらめ組」も少なくなかったのではと思います。
「生まれ変わっても今の妻と結婚したい」夫が多いのは、山口県
夫の1位は、山口でなんと78%。山口の男性は、亭主関白になりやすく、妻に内助の功を求めるタイプ。ケンカしても簡単には謝りませんが、家族を大切にする夫です(家事の手伝いをする人が全国で2位と多い)。
ただ、「愛している」という言葉はもちろんのこと、態度で示すことは少ないです。特に山口の女性は、内助の功を発揮して夫の出世を助けるタイプなので、心の中ではいい妻と評価しているのでしょう。深読みすると、プライドが高いため、自分の選択が間違っていたというのは許せないため、この結果になったところもあるかもしれません。
2位の福井は76%。福井の男性は負けず嫌いの頑張り屋(昔「越前詐欺」といわれたのは、越前商人の成功に対する嫉みから)。普段は温和ですが、逆境にも強いしリーダーシップもあります。特に福井の女性は、しっかりものの姉さん女房で、たとえ夫が浮気をしても、離婚することはまずないタイプというのも影響しているのでしょう。
同率2位の徳島の男性は早婚で、結婚すると模範的な夫になります。真面目なので、お酒やギャンブルにハマる事もありません。恋愛時代から主導権を握りたがるところがあります。妻を自分好みに仕上げているからでしょう。阿波踊りでストレス解消していることも影響しているかも。
4位の東京は72%。東京は、城東(下町)、城西(山手)、多摩で気質が異なりますが、共通するのは、女性に一目置くこと。妻の誕生日は忘れず素敵な花などを買います。そのため、妻に対する不満が多少あっても「結婚したい」を選ぶ可能性が高いし、山口と同様、プライドが高いので、自分の選択が間違っていたというのは許せないため「結婚したい」人もいたのでは。これは、5位の兵庫(70%)も同様でしょう。
「生まれ変わっても今の夫と結婚したい」妻が多いのは、大分県
妻の1位は大分で66%。大分の女性は、目立たないですが、男性に比べ明るく何事にも積極的で行動力もあります。社交的ですが、見かけより芯が強く、粘り強い人が多いです。考え方も堅実だから、流行に流されることもありません。結婚すると姉さん女房になり、家計のヤリクリもしっかり。特に大分の男性は、結婚すると妻の言うこともよく模範的な家族思いの夫になります。大分の男性も「結婚する」が7位と高かったです。
2位の鹿児島は62%。鹿児島の女性は、男尊女卑の歴史から真面目で控え目な人が多いですが、表面はおとなしそうに見えても、芯は強いしっかり者。根性も座っています。男性に比べ柔軟性もありますし、包容力もあります。恋愛には慎重なところがあり、自分から告白するのは苦手ですが、いったん恋をすると、とことんついていくタイプで、デートでは約束の時間に遅れても何時間も待っている傾向があります。
結婚すると、気丈ですが一歩引いて夫をたてるし、子供にも優しいタイプです。包容力があり細かいことを言いません。特に鹿児島の男性は、結婚すると亭主関白になりまする。といっても、これはあなたのコントロールしだい。このコントロールが成功しているので上位にいるのでは。
3位の新潟は60%。新潟では「男の子と杉の木は育たない」と言葉があります。杉の木が育たないのは、新潟平野は潟や沼等の湿地が多い土壌のため。男の子が育たないのは、女性がなんでもやってしまい、男は見ているだけでしつけなどができていないという意味です。女性は男性をたてて世話を焼くように小さい頃から育てられてきました。女性が明るく包容力があるのは、昔からの習慣によるところが大きいのです。「女房にするなら新潟女」といわれたほど、働き者で夫につくすといわれているからでしょう。
同率3位の鳥取は因幡(県東部)と伯耆(県西部)で気質が異なります。因幡の女性は真面目で辛抱強い努力家タイプが多く生活は堅実。伯耆の女性はフトコロが広く、タフで芯が強い。どちらも背伸びをするタイプが少ないのが原因でしょう。5位の京都は58%。京都の女性が晩婚なのは相手をしっかり吟味しているから。特に京都の男性は、結婚すると、ソツなくマイホーム夫になります。後悔することもないのでしょう。
<著者プロフィール>
矢野新一
(株)ナンバーワン戦略研究所所長。エリアマーケティングの第一人者で、かつ県民性研究の第一人者。「県民性博士」とも呼ばれている。県民性に関する著作は20冊にのぼる。最新刊は『石川県人と富山県人のえっホント?』(北国新聞社)。テレビ出演、雑誌の監修も多数。無料アプリ「ズバット県民性」やサイト「県民性ワールド」も人気。東京生まれ。横浜市西区育ち。