メンタリストのDaiGoが、20日に放送されたテレビ朝日系バラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!! ~失敗人生!ちょっと待って3時間SP』(19:00~21:54)で、引退騒動の真相を告白した。

メンタリストのDaiGo

2012年11月と2013年5月に、それぞれ引退を宣言したDaiGo。どちらも翌日に撤回したことでマスコミでも取り上げられ、ネット上では批判の声も噴出した。この日、「メンタリストなのにメンタルがボロボロだった」とその時の心境を伝えながら、事の顛末を赤裸々に語った。

"人の心を操るスペシャリスト"として当時はバラエティ番組に引っ張りだこ。成功が当たり前になると次第に現状に満足できなくなり、「今の自分は本当の自分じゃない」という思い込みがはじまる。その根本にあったのは、「自分はパフォーマンスじゃなくて、もっとほかに才能があるんじゃないか。もっとやるべきことがあるんじゃないか」という期待と疑念だった。

ブレイク中は多忙を極め、テレビ出演は100本以上、セミナーや講演の依頼は59件にも上った。過密スケジュールの中でのパフォーマンスは「失敗できない」プレッシャーとの闘い。人の心を対象にしているため失敗はつきものだったが、テレビ番組はそれを許してはくれず、精神的に追い込まれた結果、「プレッシャーから逃げたい」「ここは自分の居場所じゃない」と思うようになった。

「弱さを見せない人は精神的に弱い人が多い」と語るDaiGo。「弱さを見せられない人には誰も寄ってこない。だからそのままつぶれる」と持論を述べ、「スタッフさんとかに『これはできないです』と言う勇気がなかった。自分が弱いということを人に伝える勇気がなかった。だから、それが僕の弱さだったんです」と反省する。

現実逃避は、やがて実生活での行動に表れはじめ、「打ち合わせをすっぽかす」「リハーサルに行かない」「マネージャーに八つ当たり」など。その後、仕事関係問わずすべてを否定しはじめ、自分に大切な物が見えなくなると、「金と権力のない人間とはかかわらない」という"分かりやすい物"を求める状態へと悪化する。

それが引き金となって起こしてしまったのが、2度の引退騒動。DaiGoは「自分の中では、撤回することも織り込み済みだった」と打ち明け、「引退で騒がせておいて、もう1回騒ぎを起こしたいというのもあって」「いわゆる炎上マーケティング」と"撤回"の真相を告白。自分に嘘をつき続けると周囲から人が離れていき、最終的には携帯の着信がゼロになるほど見放されてしまう。

最悪の状況で救いとなったのはある学生の一言だった。母校の慶應義塾大学で授業を行った際、一人の大学生がDaiGoに近づき、「DaiGoさんのパフォーマンスが僕の人生を変えてくれた」と声を掛けた。この時のことをDaiGoは「本当に衝撃」と振り返り、「自分が大事にしていたもの、求めていたものに気づかされた」と学生に感謝する。「人の心を動かし、人を喜ばせたい」というメンタリストのルーツをあらためて知ることができ、今では心を入れ替えて「自分の使命にしてやっていきたい」と決意を新たにしている。