サントリー食品インターナショナルは7日、「ケロッグ 飲む朝食 フルーツグラノラ」を、1都10県のコンビニエンスストア限定で発売。同日、新商品の説明会と新CM発表会を開催した。
「フルーツグラノラ」は1カップ200グラム入りで1個180円。朝起きてすぐの胃腸の働きがまだ活発化していない時にとりあえずの空腹を満たすのにちょうどいい分量だ(左)。イベントには女優の深田恭子さんと俳優のムロツヨシさんも登場 |
新カテゴリー"飲むシリアル"
同商品は、シリアル食品メーカーのトップブランド・ケロッグ社とライセンス契約を結び、同社が独自に開発した商品。ケロッグの人気商品「フルーツグラノラ」を飲料として再現したもので、“飲むシリアル”として朝食市場の新しいカテゴリーを開く。
商品化にあたっては、“おいしさ”、“手軽さ(飲む)”、“満足感(食べる)”、“栄養バランス”を主軸に開発。1894年の創業以来、“朝食の専門家”として、おいしさと栄養バランスを追求してきたケロッグ社が、ライセンスとともに長年培った知見を供与するかたちでも協力しているという。
具体的に、飲み物としてのフルーツグラノラを実現するにあたっては、まずはバナナミルクをベースに液体化。シリアルについては、大麦・はと麦・とうもろこし・焙煎米の4種類の穀物から抽出したエキスを加え、フルーツのフレーバーは、マンゴー・いちご・アップル・パイン・パパイヤ・レーズンの6種類のドライフルーツから抽出したエキスと、“インラインクラッシュ製法”と呼ばれる独自の技術による果実ゼリーを混ぜることにより、スムーズに喉を通りながらも、実際のシリアル食品のような食感が感じられるように工夫が施されている。
世界ナンバーワンのシリアルメーカー「ケロッグ」とのライセンス契約を締結し、“朝食飲料”という新たなカテゴリーの創出に挑んだサントリー |
フルーツグラノラと同じ“おいしさ”と“栄養バランス”を両立させるために、独自の開発技術が投入されている |
なお、同商品1本に含まれるおよその栄養素を食品に喩えると、エネルギーが8枚切りの食パン1枚分、食物繊維がレタス1.5個分、カルシウムが牛乳1杯(200ml)分にあたるという。
また、8日からは新商品のCMが販売地域においてオンエアになる。女優の深田恭子さん扮する“朝子”と俳優のムロツヨシさん扮する“朝夫”の同僚会社員が朝のオフィスで繰り広げるコミカルな掛け合いが楽しいCMで、3篇の15秒CMが展開される。
発表会には、新CMに出演している深田さんとムロさんも出席。CMの撮影秘話を明かすとともに、同商品と製品に含まれる栄養素を実際の食品群で食べ比べる実演なども行い、新商品をPRした。
深田恭子さんとムロツヨシさんをキャラクターに起用した新CM。朝のオフィスを舞台に、“朝”や“朝食”をテーマにしたふたりのコミカルな掛け合いが目を引く |
約30秒間、新商品でスマートに朝食を摂る深田さんと、商品に含まれる栄養素と同じ食品を食べるムロさん。どちらがより“スマート”かを対決した |
新商品について、深田さんは「喉ごしもよくて食感もあり、口の中にいろんな味が広がって美味しいです。忙しい朝に朝食を摂るのにピッタリです」とコメント。ムロさんも「スマートな朝食を摂るのにいいですね。朝、これだけの量の野菜や果物を用意するのも難しいですしね」と新製品の魅力を語った。
20~30代の“朝食欠食”に着目
会見に出席した同社 執行役員・食品事業本部・ブランド戦略部長の北川廣一氏によると、新商品の製品化にあたっては20~30代の“朝食欠食”に着目したという。「平成25年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、全体の11%が朝食を抜いている。特に20~30代が顕著で、男性の29%、女性の21%。一方で、ここのところシリアル食品市場が急成長している。好調の3つの要因は、ひとつには“美味しさ”、ふたつには“高い栄養価”、3つ目が“簡単さ”にあるのではないか」と述べ、特に若い世代の朝食欠食に対して、シリアルに着目し、飲料メーカーならではの新しい提案を目指したと明かした。
同席した日本ケロッグ合同会社執行役員・マーケティング本部長の大谷弘子氏は「最近の調査で朝食アイテムの浸透率はパンが81%で、シリアルは35%。パンに比べてまだまだ浸透率は低いものの、右肩上がりに年々比率を伸ばしており、第3の朝食アイテムとして定着しつつある。これからもまだまだ伸ばしていかなければならないと思っている中で、今回のコラボレーションは“のびしろ”を大きくしていくもの」と語り、同社の戦略にとっても意義のある商品であることを強調した。
今回発売された新商品は、まさに食品と飲料の間にあり、朝食としても新しいカテゴリーに位置づけられる新規市場を切り開く大事な商品。商品の今後の展開や将来性を左右する第1弾商品として、バナナテイストの乳飲料を採用した理由について、同商品の企画・マーケティングを担当した、同社 食品事業本部・ブランド戦略部の相原絢氏は「バナナは朝食代わりに食べられることが多いフルーツ。そういった点では、消費者の中でもバナナは朝食のイメージにすぐに結びつくと思いますので、早い段階で決まりました」と説明。さらに「弊社の商品ではペットボトルや缶飲料がこれまでの主流でした。他にもパウチタイプやチアパックといった容器も検討しましたが、加熱処理の関係やフルーツグラノラの美味しさを飲料として再現するにはチルドカップタイプの容器が最適と判断して採用しています。また、単身者など本家のフルーツグラノラだと量が多くて購入しづらいといった層にとっては、トライアル的にフルーツグラノラを取り入れていただくのに好都合な商品だと思います」と、働き世帯の単身者に特に訴求したい意向を語った。
同商品の価格(税別)は、1カップ200グラム入りで1個180円。賞味期限は、10℃以下の要冷蔵で18日間。販売地域は、東京、神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城・静岡・山梨・長野・新潟の1都10県となっている。