財務省は8日、2015年2月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1兆4,401億円の黒字となった。黒字は8カ月連続で、黒字幅は前年同月と比べて8,413億円拡大した。
貿易・サービス収支は2,518億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で4,880億円縮小した。赤字は35カ月連続。「貿易収支」および「サービス収支」がともに赤字幅を縮小したため、貿易・サービス収支の赤字幅が縮小した。
貿易収支は1,431億円の赤字で、赤字幅は同4,297億円縮小した。赤字は20カ月連続。自動車や半導体等電子部品を中心に輸出が増加し、原粗油や石油製品を中心に輸入が減少したことにより、赤字幅が縮小した。
輸出額は同232億円(0.4%)増の5兆9,588億円と、24カ月連続の増加。輸入額は同4,065億円(6.2%)減の6兆1,020億円と、2カ月連続で減少した。
また、同省関税局がまとめた2015年2月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は同1,423億円(2.5%)増の5兆9,414億円となった。商品別では、自動車が同753億円(8.8%)増、半導体等電子部品が同271億円(10.1%)増、金属加工機械が同135億円(14.0%)増など。主要地域別では、対米国が同1,522億円(14.3%)増、対ASEANが同1,259億円(14.8%)増などとなった。
輸入額は同2,388億円(3.6%)減の6兆3,665億円。商品別では、原粗油が同6,874億円(54.8%)減、石油製品が同949億円(40.6%)減、液化石油ガスが同447億円(38.7%)減など。主要地域別では、対中東が同5,659億円(42.6%)減、対ロシアが同717億円(28.7%)減などとなった。
サービス収支は1,087億円の赤字で、赤字幅は同583億円の縮小。「旅行収支」が単月として過去最大の黒字幅を記録し、5カ月連続の黒字となったほか、「知的財産権等使用料」の黒字幅が拡大したことなどから、赤字幅が縮小した。
第1次所得収支は1兆8,622億円の黒字で、黒字幅は同4,020億円の拡大。証券投資にかかる債券利子の受取増加等により証券投資収益が増加したことに加え、直接投資収益も増加したことから、黒字幅が拡大し、2月として過去最大を更新した。
第2次所得収支は1,702億円の赤字で、赤字幅は同487億円拡大した。