1.2L直噴ターボエンジン「8NR-FTS」

トヨタ自動車は6日、高いエンジン熱効率と、力強い加速をもたらす動力性能を両立した1.2L直噴ターボエンジン「8NR-FTS」を新たに開発し、マイナーチェンジした「オーリス」に搭載すると発表した。

「8NR-FTS」は、排気ガス温度を最適にする水冷シリンダーヘッド一体型エキゾーストマニホールドとシングルスクロールターボチャージャーの組み合わせにより、ターボチャージャーの優れた過給効率を実現。コンパクトな水冷式インタークーラーの採用によって、エンジンの熱負荷に左右されず、運転状況に応じた吸気冷却効果を発揮する。これにより、アクセル操作に対する瞬時のレスポンスと、幅広い回転域での最大トルクの発生を実現した。

また、シリンダー内の強いタンブル流(縦回転の渦)と、直噴技術D-4Tが理想的な混合気を形成し、高効率の高速燃焼を実現。負荷に応じバルブ開閉タイミングを制御する連続可変バルブタイミング機構VVT-iW(吸気側)が可能としたアトキンソンサイクルなど、燃焼改善と損失改善を追求することで、量産過給ガソリンエンジンとしては、世界トップレベルという最大熱効率36%を達成した。

同社は、化石燃料の消費抑制のため、販売車両の多数を占める従来型エンジン車の燃費向上に取り組んでいる。今回、高熱効率の低燃費エンジン群に、動力性能も両立した過給エンジンを追加することで、ユーザーにとって最適なエコカーが選べる選択肢を提供。引き続き、すべてのクルマの環境性能をこれまで以上に高めていくとしている。