「好きなアニメのタイトルがある」

オリコンはこのほど、日本における市場規模が増え続けているアニメと、近年急速に伸びるスマートフォンやタブレット端末などモバイル機器の普及との関係を調査するために実施した、「アニメ視聴に関する意識・実態調査」の結果を発表した。調査方法は、インターネットによるアンケート、調査期間は3月13日~20日、調査対象は10~40代の男女計1,000サンプル。

日本におけるアニメの市場規模はこの数年増え続けており、2013年には過去最高を記録したとのデータが発表された。3月20~22日には、東京ビックサイトで国内最大級のアニメイベント『AnimeJapan 2015』が開催され、来場者は第1回だった2014年より1万人以上増加し、目標としていた12万人を突破したとのこと。

オリコンが1,000名を対象に行った調査でも、「好きなアニメのタイトルがある」との質問に「ある」と回答した人は70.9%を占めており、アニメは多くの日本人が関心を寄せる文化であり、ビジネスであると言える。

そこで気になるのは、同じように、近年急速に伸びるスマートフォンやタブレット端末などモバイル機器の普及との関係だ。『AnimeJapan 2015』でも、様々なブースでモバイル機器を使ったサービスの紹介が見られ、アニメ放映の主役であるテレビとの接触時間が減り、新たなチャネルであるモバイル機器の利用時間が増えている。

今回の調査はそうした実態を受け、「好きなアニメタイトルがある」という10~40代の男女709名を対象に意識実態調査が行われた。

「アニメを視聴する際に利用する機器」

「アニメを視聴する際に利用する機器」の質問では、現在利用しているものと、今後利用していきたいものを調査。現在と今後の双方で「テレビ」が最も高い数値となったが、現在「スマートフォン」で見ているという人が、既に15.4%も存在している。今後の意向でも17.5%が「スマートフォン」と答えており、減少するテレビやパソコンとは対照的となった。また、現状は6.8%の「タブレット端末」も意向では13.8%となり、増加傾向が見られる。

「アニメをどのような形で観ますか」

アニメを観る方法も、テレビでの放送や動画配信、DVDなど、多様になりつつあるため、現状と今後について調査を実施。現状は、地上波放送が90.3%と最も高い数字となったが、今後については16.0ポイント減少した74.3%。その中で上昇しているのが、「テレビのみのストリーミングサービス」「ストリーミングサービス」「ダウンロード購入」の3つ。いずれもインターネットによるオンデマンド方式で、"いつでも"アニメを観たいという意識の高まりが伺える。

アニメを観るシチュエーションについても、現状と意向の質問を実施。結果、「自宅でくつろいでいるとき」「自宅でご飯を食べているとき」がそれぞれ減少し、自宅のテレビでアニメを観るシチュエーションが今後減っていくと予想される。これに対して、「何かの待ち時間中」「電車・バス等公共交通機関の乗車中」「お風呂に入っているとき」など、モバイル機器の普及により可能になってきた"どこでも"を享受したいとの意向が育ちつつあることが明らかになっている。