俳優の佐藤浩市が主演する、横山秀夫原作の映画『64-ロクヨン-』(2016年公開)の追加キャストが発表され、俳優の綾野剛、榮倉奈々、瑛太らが出演することが26日、明らかになった。

上段左から、佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、下段左から、仲村トオル、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝

原作は、2013年の「このミステリーがすごい!」1位に選ばれ、累計発行部数110万部を突破した小説『64(ロクヨン)』。昭和64年に起きた未解決の誘拐事件(通称"ロクヨン")に端を発する県警と記者クラブ、さらには警察内部の対立を、広報官である三上(佐藤)の視点で描く。映画の撮影は今年2月にクランクインしており、5月にクランクアップ予定。前編と後編の2部作で公開される。

ミステリーとしてはもちろん、総勢150人にもおよぶ登場人物で壮大な人間ドラマが描かれることでも話題の原作。その映画化を実現すべく、佐藤の脇を綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、仲村トオル、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝といった主役級の役者陣が名を連ねる。

三上の部下を演じる綾野は「瀬々敬久監督、佐藤浩市さん、スタッフ、キャストと共に、正義と不義のはざまで、ただ一つの真実に向かって闘い抜く所存です」と気合十分。三上を支える広報室婦警・秋川役の榮倉は、「男性社会の中で、自分の役割を探し懸命に仕事と向き合う女性の役です」と説明し、「自分自身も、力強い役者の先輩方の中で美雲と向き合い、少しでも戦力になれますよう頑張りたいと思います」と力強く語った。

広報室のメンバーと激しく対立していく瑛太は、「佐藤浩市さん演じる三上と対立する幹事社秋川を演じるのは容易ではないです。秋川のくせ者度合いを楽しみ、この映画の良いスパイスになれるよう全身全霊でぶつかりたいと思います」と語る。三上が信頼を寄せる上司を演じる三浦は、「とにかく主人公三上が前後編出ずっぱりで、間違いなく心身共にハードな仕事になっていると想像します。われわれは真の縁の下の力持ちになれるよう頑張るのみです」と役柄同様に佐藤を気遣う。

メガホンを取る瀬々敬久監督は、「横山秀夫さんの思いが込められた『64(ロクヨン)』の映画化という重責の中の船出でしたが、佐藤浩市さんを中心とする世代を超えた出演者の競演に息を飲む瞬間の連続です。熱意が集積した映画を届けられるよう、今後も進んでいこうと思っています」と意気込みを語った。

■映画『64-ロクヨン-』登場人物キャスト

<県警>
県警本部長/辻内欣司…椎名桔平:県警のトップ。同期の中で最も警察庁長官の椅子に近い男

<警務部>
秘書課広報室広報官/三上義信…佐藤浩市:かつては刑事部でロクヨン捜査にも関わる。異動により現在は20年ぶりに二度目の広報室勤務
秘書課広報室係長/諏訪…綾野剛: 広報室勤務5年、機転の利く広報マン
秘書課広報室婦警/美雲…榮倉奈々:元交通課で広報室の紅一点。職務熱心で真っすぐな性格
警務課調査官/二渡真治…仲村トオル:事態の裏で暗躍する、三上の警察学校での同期。県警内の人事にも携わる
警務部長/赤間…滝藤賢一:出世欲の強いキャリア組

<刑事部>
刑事部捜査一課長/松岡勝俊…三浦友和:三上の刑事部時代の上司。ロクヨン捜査では追尾班長を務めた
刑事部長/荒木田…奥田瑛二:所轄刑事の頂点である刑事部長で、ポストをまもるため保身に走る

<記者クラブ>
東洋新聞キャップ/秋川…瑛太:幹事社として県警記者クラブを仕切るある交通事故の警察発表の方針を巡り広報室と対立

<ロクヨン関係者/その他>
雨宮漬物経営/雨宮芳男…永瀬正敏:ロクヨン事件の被害者家族。事件の捜査を通じ警察に不信感を抱く
元ロクヨン自宅班/幸田一樹…吉岡秀隆:ロクヨン事件の半年後に辞職
元ロクヨン自宅班/日吉浩一郎…窪田正孝:現場から臨場要請を受け科捜研から捜査に参加
元婦警/三上美那子…夏川結衣:三上の妻。ロクヨン発生当時は捜査班にも加わる
スポーツ用品店経営/目崎正人…緒形直人:新たに発生した誘拐事件の被害者家族

『64-ロクヨン-』人物相関図

(C)「64-ロクヨン-」製作委員会