JR北海道はこのほど、新幹線走行中の地震発生に備える地震対策について発表した。地震をすばやく検知してすみやかに架線への送電を停止し、列車を減速・停止する「早期地震検知システム」を導入するほか、車両の逸脱防止対策を車両やレールに施すという。
地震発生時には、速度が速く揺れの細かいP波がまず発生し、その後に揺れが大きく破壊力のあるS波が起こる。このことから、北海道新幹線でも他の新幹線と同様、線路沿線と大規模地震が想定される震源域の近くに地震計を設置し、P波をいち早く検知して列車に非常ブレーキをかけるという。地震計設置場所として、線路沿線に20km間隔で8カ所、震源域の近くに9カ所を設け、それぞれの場所に2種類の地震計を備えることで2重の保安体制をとる。地震発生時にはいったん列車を停止して地上設備の点検などを行い、安全を確認した場合には運転を再開することとする。
車両の逸脱防止対策としては、台車下部の車輪より内側に「逸脱防止ガイド」と呼ばれる部品を装着。万が一脱線した際も、逸脱防止ガイドがレールの内側に引っかかることで、車両の移動量を最小限に抑える。
また、中越地震(2004年)で脱線した車両の車輪がレール締結装置のボルトを多数損傷させる事例があったことから、北海道新幹線ではボルトの頭を高く出さずにレールを両サイドから押さえ込む「レール転倒防止装置」を5mに1カ所程度設置。万が一、他のボルトの頭が損傷した際にもレールが大きく動かないようにするという。