誰の目から見ても明らかな暴力や暴言を与える「パワハラ」とは違い、周囲には分かりづらい陰湿な手口で精神的苦痛を与えることが特徴の「モラルハラスメント(モラハラ)」。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、職場で受けたモラハラの事例について報告してもらった。
Q.仕事でモラルハラスメント(モラハラ)を受けたことはありますか?
はい 10.3%
いいえ 89.7%
Q.(「はい」と答えた方にお聞きします)どのような内容だったか教えてください
■バカにされる
・「普通できると言われる」(28歳女性/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)
・「大卒なのにこんなこともできないのかと上司にしょっちゅう言われた」(30歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「お前なんか役に立たないと言われ続けた」(33歳男性/機械・精密機器/技術職)
・「私なんかにわかるわけないとか言って、全然話を聞いてくれない上司」(33歳女性/金融・証券/専門職)
・「毎日ばかにされている」(24歳男性/警備・メンテナンス/販売職・サービス系)
■納得いかない言葉
・「駐車場でもっとつめて入れろといわれたと思えば次の日はもっと余裕をもっていれろと言われ、また違う日には前に止めすぎだと気分によって注意ばかりされるから」(31歳男性/食品・飲料/技術職)
・「持病で体調が悪いことを、気合が足りないから病気に負けるんだと怒鳴られた」(36歳女性/医療・福祉/専門職)
・「子供を妊娠したときに時期を考えろと怒られ、異動しろと言われた」(30歳女性/通信/事務系専門職)
■プライベートに踏み込む
・「プライベートをきいてくる」(23歳男性/団体・公益法人・官公庁/専門職)
・「「彼氏がいないからお前が一番『位が下』と言われた…位?」(31歳女性/不動産/専門職)
・「太っているとか肉食べ過ぎなどうるさい、太っていないし」(43歳男性/建設・土木/営業職)
■帰宅・休みに関して
・「有給を取るときにいやみを言われた」(32歳男性/電機/技術職)
・「有給のとき、申請理由をおしえないと許せないといわれた」(42歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「帰宅したいのに、20時以降まで残っていないと帰らせてもらえない」(35歳男性/機械・精密機器/営業職)
■その他のモラハラ事例
・「社内で共有するべき情報を、故意に自分にだけ教えない人がいる」(52歳女性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
・「休憩中に後ろから携帯を覗かれる、大声でどなり散らされる」(27歳女性/その他/その他)
・「人間関係がこじれて、無視された等」(23歳女性/その他/事務系専門職)
■総評
仕事でモラハラを受けたことが「ある」と答えた人は10.3%だった。そのひどい内状について告白してもらった。
まずは、バカにする言葉をかけられるケース。「普通できるよね?」「大卒のくせに」「役立たず」など、見下したような軽蔑の言葉を浴びせられて傷ついている人が大勢いた。他にも、その日の気分によって言うことをコロコロ変えたり、病気に対する無理解から「気合いが足りない」と言われたり、不条理な言葉や心ない叱責を受けた例も少なくなかった。
人格や体型のこと、プライベートな部分にまで踏み込まれてバカにされ、悔しい思いをしたという意見もいくつかあった。太っていると言われて食生活にまで口を出すのは、間違いなく嫌がらせだ。また、彼氏がいないことで「位が下」と言われたなんて、セクハラ混じりの例も報告された。
有給をなかなかとらせてもらえない、夜8時を過ぎないと帰宅させてもらえないなど、社員が権利を主張できないケースも報告された。また、仕事を回してもらえない、共有すべき情報を教えてもらえないなど、つらい嫌がらせを受けた人もいたようだ。昇進に関しても、明確な理由なく「不適当」と評価され審査を落とされた、と告白してくれた人も。絶対にあってはいけないことだが……。
パワハラと違い、周囲には分かりにくい陰湿なケースが多いモラハラ。被害者は泣き寝入りになりがちで、本当に読んでいるだけで腹立たしい。モラハラはケースに応じてさまざまな対処法がある。もしこんな嫌がらせに悩んでいる人がいたら、ガマンばかりではなく、しかるべき対処法を探ってみてほしい。
調査時期: 2015年1月30日~2015年2月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性137名 女性163名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート