日本経済研究センターは6日、民間エコノミストら41人(機関)による景気予測をまとめた2015年3月の「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。それによると、2015年度の名目成長率予測は2.80%となり、前月から0.9ポイント上昇した。一方、実質成長率予測は1.83%と、前月から0.2ポイント低下した。

GDPデフレーターについては、2015年度は0.97%上昇すると予測。同調査では「GDPデフレーターを見ていると、日本経済は着実に『20年デフレ』から脱出する道を歩んでいるようにみえる」としている。

GDPデフレーターの実績と予測(出典:日本経済研究センターWebサイト)

2015年1~3月期の実質成長率予測は2.64%で、前月から0.43ポイント上方修正。消費増税後に2四半期続けてマイナス成長になったが、2014年10~12月期はプラスに転じ、その後はなだらかな回復が続くと見込んでいる。

消費者物価指数(生鮮食品除く総合)の見通しは、2015年度の上昇率は0.43%と、前月から0.16ポイント下方修正。2015年4~6月の前年同期比は0.16%上昇にとどまり、「水面すれすれの状態」と予想している。

日銀の物価目標「2%上昇」については、「2年」の約束に対してフォーキャスター全員が「いいえ」と回答。ただ、「数年以内に達成するかどうか」の問いには39人のうち24人が「はい」と答え、実現時期は2016年4~6月以降になると見ている。