厚生労働省は5日、OECD(経済協力開発機構)「失職者レビュー日本報告書」を発表した。それによると、日本の失職者のうち1年以内に再就職した人は半数以下にとどまった。
日本の失職率は比較可能なOECD諸国の中では低いものの、2002~2008年の1.4%から2009年には2.0%を超える水準まで上昇。詳細を見ると、高齢者や教育水準の低い人、小規模企業、非正規労働者などで失職のリスクは高いことがわかった。
2002~2013年の失職者のうち1年以内に再就職した人の割合は半数以下の48%で、3分の1が失業、4分の1が非労働力人口となっていた。また、高齢者や女性、教育水準の低い人の再就職率は低く、再就職の際に給与の大幅低下や非正規雇用となる場合も多かった。
失職者対策については、日本の公的な失業給付全体の手厚さはOECD平均よりやや低いと指摘。これに対し、同省は「若年者、女性、非正規労働者への雇用主の支援や雇用保険給付額は、失職の緊要度、再就職の容易さ等も考慮すべきであり、一概に低いとはいえない」としている。
OECDは、2011年から「失職者プロジェクト」として失職者に関する調査分析を行っている。「失職者レビュー」は、同プロジェクト参加9カ国を対象に実施した調査報告で、2015年1月9日に日本報告書が公表され、同日、同省にて公表イベントが開催された。