近江鉄道は4月1日、鉄道旅客運賃を一部改定する。鉄道事業法第16条第3項および同法施行規則第33条にもとづき、2月18日付で近畿運輸局長宛に実施運賃などの変更届出を行った。
近江鉄道は滋賀県彦根市に本社を置き、近江本線(米原~貴生川間)や八日市線(八日市~近江八幡間)など計59.5kmの鉄道路線を持つ。現在は米原~多賀大社前間に「彦根・多賀大社線」、高宮~八日市間に「湖東近江路線」、八日市~貴生川間に「水口・蒲生野線」、八日市~近江八幡間に「万葉あかね線」の愛称が付けられているという。
同社は今回の運賃改定に関して、「鉄道事業をとりまく環境は厳しさを増す一方であり、赤字が常態化しております」「安全のための設備修繕費用などが増加し、これ以上の営業努力による収支改善が難しい見通しであります」と届出理由を説明。収支改善のため、普通旅客運賃が現在認可されている上限運賃と同額に改定され、初乗り運賃は現行の140円から150円に引き上げられる。
おもな区間の4月以降の運賃は、米原~彦根間が310円(現行290円)、米原~八日市間が830円(現行800円)、米原~貴生川間が1,030円(現行990円)、彦根~八日市間が750円(現行710円)、八日市~近江八幡間が450円(現行410円)、八日市~貴生川間が790円(現行760円)。定期旅客運賃のうち、通勤定期は上限運賃と同額に改定されるが、通学定期は一部区間を除き、現行運賃で据え置くとしている。
同社の割引きっぷ・企画きっぷの料金も一部変更され、全線乗り放題の「1デイ・スマイルチケット」は880円(現行820円)、米原駅から八日市駅以遠まで往復できる「米原乗り継ぎ往復切符」は1,600円(現行1,440円)に。近江鉄道・信楽高原鐵道の全線に乗り放題の「びわこ京阪奈フリーきっぷ」については、4月以降も1,030円で据置きとなる。