年末のこの時期、同窓会のお誘いが多いのではないでしょうか。初恋のあの人に会えるかも……なんていう甘酸っぱい青春の香りにときめく人もいるかもしれません。過去の自分の恋愛を思い出してみたりもするかもしれません。
私自身振り返ってみても、昔の恋愛って輝いて見えてしまう不思議があります。それにしても、なぜ昔の恋はこうも輝いて見えてしまうのでしょうか。
思い出は補正されていく
例えば、現実的に言えば「今付き合っている彼氏がいる」「結婚して子どももいる」なんて人でも、誰も傷つけずに恋心に浸れる瞬間……それが過去の恋愛ではないでしょうか。
過去のため、あなたにとって現実の思い出ではありますが、逆に言えば今の恋愛ではないため、甘い恋心やキュンとする瞬間だけを切り取ることができます。そうなんです、思い出の多くは補正されてしまうのです。
ある程度の恋愛経験をすれば、透けて見えてくる「甘いだけじゃない」恋愛も、過去だけは「甘い」だけにとどめることができるものです。
それに何よりも、人は都合よくできているもので、どんなに嫌な別れ方をしても楽しかった思い出のほうが頭に残りやすいです。私自身、あのときは毎日のように「絶対に許さない!!! 」と泣き崩れていた恋愛も、今思いだせば「甘酸っぱいな」「あのときの2人って、素敵だったな」なんて考えられるほど。現実には悲しかった恋愛だとしても、やっぱり思い出に浸るときは、幸せだった恋を思い出すものです。
刺激は心のスパイスに
過去の恋愛=今の自分よりも若い頃の恋愛。
今、昔のような刺激的な恋愛ができるかと言われると、私は……自信がありません(笑)。穏やかな恋愛を求めてしまっている自分がいますが、人と言うのは刺激に弱い生き物です。そのため、過去に味わった刺激的な恋愛……特に若い頃は、どんなことも自分にとって刺激になるほど、感受性も豊かで心の振り幅も大きいとき。
それと今を比べてしまうと、当然過去の恋愛が「とっても輝いていた! 」と感じても、決して不思議ではありません。でも、よく考えてみてください。
過去の恋愛は、過去のあなただからこそ「素敵な恋愛」として成立していたのではないでしょうか。今の恋愛は、今のあなたらしさを大切にするからこそ「恋愛っていいな」と思えるのです。
刺激はときに、人を魅了するスパイスです。でも、それは本当に今のあなたにとって必要なものかと考えてみると……一時期の刺激を求めただけだったりもするものです。
現状に不満を持っているから?
「昔の彼は、こんなに優しかったのに」
「昔の恋人といたときのほうが、私……幸せだった」
そう考えたことありませんか。今の恋がうまくいっていないとき、どうしても過去にすがりたくなることがあると思います。でも、本当に過去の恋愛が輝いて見えるのは、現状に不満を抱いているからでしょうか。
私は、そうだと思っています。
なぜなら、今が楽しいときは、わざわざ過去を思い起こす必要がなく、過去を思い出さないことのほうが多いのではないでしょうか。
ただ、ここからがポイント。「昔はよかった」と過去の思い出に浸るのは良いでしょう。しかし、こう考えてみてはどうですか。
「過去ばかり思い出している。これは現状に不満があるからだ。この不満をどうすれば解消できるのか」
その気持ちにシフトしていくのです。過去の思い出が一瞬では消えないとき、今を変えるチャンスなのではないでしょうか。今に不満があるのは薄々気がついていた。けれども「不満がある! 」とは、言いたくない自分がいる。
そんな中途半端な気持ちのまま過ごしている自分に、「過去の輝いていた自分」を思い出させるチャンスなんです。
過去は輝いて見えるもの。その中に、今と比べてネガティブになるのではなく、今の自分を変える未来に目を向けてみるのも、楽しいと思いませんか。
※画像は本文と関係ありません
著者プロフィール
片瀬萩乃
恋愛作家
常に相談者の立場に立った前向きなコメントに「恋愛の楽しさを思い出した! 」「自分の気持ちに自信が持てた! 」と多くの女性からアツい支持を得ている。著書に、シリーズ合計20万部突破した『モテ本! 』『モテ本! ハイパー』『モテ本ビジュアル強化BOOK』(以上、大和書房)、『終わらない恋をするための恋愛のルール』『喜ばせハンドブック』(以上、中経出版)、『永遠に彼が夢中になる恋愛のルール』(二見書房)、新刊に『しあわせのはじまりは、ときめきから』(学研)がある。 オフィシャルサイト「恋結‐コイムスビ‐」、オフィシャルブログ「today+」も展開中。