ニュージーランドの人たちは自分たちのことを"kiwi(キウィ)"と呼んでいるが、実はニュージーランドのマクドナルドには、「キウィバーガー」というメニューがある。そして、国民的グルメとも言える"あのグルメ"も、諸事情あってマクドナルドにて復活しているのだ。これらのボリューム、ラグビー世界ナンバーワンの国のファストフードらしい大きさなのである。
巨大パティに野菜もこんもり
ニュージーランドと日本のマクドナルドの大きな違いは、ドリンクが飲み放題ということ。日本でもよく見るコーラやオレンジジュースなどとともに並んでいる「L&P」は、ニュージーランドならではの炭酸飲料だ。"レモン アンド パエロア"の略で、ニュージーランドの北島にあるパエロアが発祥。レモンの風味とともにやや甘味が強いドリンクだが、子供のみならず年配の人もL&Pを好んでいるようだ。
"ニュージーランド人のバーガー"という意味の「キウィバーガー」は、オリジナルの「キウィバーガー」(単品6.9NZドル=約630円、Mセット9.9NZドル=約910円)と、100%アンガスビーフのパティをはさんだ「キウィアンガスバーガー」(単品8.5NZドル=約780円、Mセット11.5NZドル=約1,060円)がある。
具はパティやチーズ、レタス、トマトのほか、赤カブや目玉焼きが入っている。ニュージーランドのスーパーや市場に行くとしばしば赤カブを目にすることがあるが、赤カブはニュージーランドでも一般的な食材とのこと。パティが大きければトマトも厚切り。そしてレタスもこんもり入っているので、片手で持とうとするとレタスがポロポロとこぼれてしまう。ボリュームの割にさっぱりとした食べ応えなのは、野菜もしっかりとれるからだろう。
あのパイの復活を国民が求める
そして、ニュージーランドのマクドナルドと言えば「ジョージ―パイ」である。ニュージーランドでは毎年、専門家たちが審査するパイの全国大会が行われるほど、ニュージーランドの人たちはパイを愛してやまない。そのため、町のパン屋やカフェには必ずと言っていいほどパイが用意されている。
このジョージ―パイはパイをメインとしたニュージーランドのファストフードショップで、その昔、全国にチェーン店を展開していた。しかし、1998年には経営難からマクドナルドに買収されることになり、全国にあったジョージ―パイの店舗はマクドナルドへ姿を変えていった。
そんな中、学生たちが自主ビデオを作成するなど、ジョージ―パイを忘れられない人々が復活への願いを全国に発信。その結果、マクドナルドにて2013年よりジョージ―パイが再び登場することとなった。
見た目も大きければ中身もぎっしり
パイの種類はジョージ―パイ時代にもあった、ミートチーズパイの「ステーキ ミンス "N" チーズ」と、チキンパイの「チキン "N" ベジタブル」、そして、このほど新登場した「アップル "N" ブラックベリー」(全て単品4.5NZドル=約410円)。ジョージ―パイ時代を知る地元の人に、マクドナルドの「ステーキ ミンス "N" チーズ」の感想をうかがったところ、「ジョージ―パイは確かにこんな味だったと思う」というコメントをいただいた。
ただ、「キウィバーガー」同様、こちらのボリュームもすごい! パイそのものもそうだが、中の具もしっかり詰まっている。普段からパイを食べ慣れていない人などは、ひょっとすると1個食べるのも結構大変かもしれない。量もそうだが、最後まで食べ飽きずにおいしく食べるには、ふたりで2個のパイをシェアするくらいがちょうどいいように感じた。
メニューをよく見てみると、コンボに+4NZドル(約370円)でパイをセットにすることができるそうだ。個人的にはコンボのみ、パイのみでも十分のような気がしたが、「こんなものをモリモリ食べながら、世界に誇るラガーマンがニュージーランドで育つんだ」という地元の人の言葉に納得させられた。
※1NZドル=91.9円で換算。記事中の価格・情報は2014年12月取材時のもの