夫のロジャー・ベルナード・ディアスさん(スリランカ人、焼肉店「炭やき屋」オーナー、46歳)、妻のディアス・美咲さん(日本人、ショップ店員、38歳)

結婚して20年。18歳の息子さん、3歳と4カ月の2人の娘さんと日本で暮らす国際結婚カップル、ロジャーさん(46歳)と美咲さん(38歳)。ロジャーさんが祖国スリランカから日本に訪れたのは24年前。流暢な日本語と明るい笑顔でレストランを経営するロジャーさん。その活躍を支えていたのは、妻の美咲さんでした。

■ふたりのなれそめと、結婚して何年目なのか教えてください。

妻とは、以前働いていたイタリア料理店のオーナーの紹介で知り合いました。今から20年も前の話で、そのころ妻は18歳。彼女はまだ実家の大分に住んでいて、上京するまでの半年間は遠距離恋愛でした。ラブレターを何通も書きましたね。当時の僕はまだ日本語が下手で、一生懸命書いても「意味がよくわからない」と言われることもありました。今思えば、あの手紙のおかげで日本語が上達したのかもしれませんね。

■プロポーズの言葉は?

付き合って1年で結婚しました。結婚を決めた理由は、子供を授かったから。プロポーズの言葉は、まぁそんな感じで(笑)。そのとき生まれた息子はもう18歳になりました。

当時はまだ授かり婚がめずらしく、妻の両親も僕の両親も反対。とくに僕の出身国のスリランカは、日本よりも古風な社会で、結婚までは手もつながない、という人が当時は多かったんです。でも今はお互いに認めてくれています。

息子さんと娘さん、美咲さん

■日本の結婚と比べ、特別で驚くようなことや、独特な風習はありますか?

妻: 実はあまりないんです。お互い初めての結婚ですし、たまたま相手が外国人だったというだけ。他の人と比べることはしないので、とくに感じていません。

夫の家はイギリス系の血が入っていて、一般的なスリランカ人よりもオープンな家庭のように思います。義母は専業主婦ですが、私が外で働くことを認めてくれているので、とても助かっています。

あえて言うなら、子どもの運動会の夫の態度かな。日本人の場合、お父さんお母さんがそろって、運動会を見に行くのが普通ですよね。でもスリランカにはそういう風習がないらしく、夫にはその感覚がわからないんです。子供の面倒はよくみてくれるのですが、運動会だけはダメ。不機嫌な顔で「暑いから帰ってもいい?」と言われると、もう、がっかり(笑)。

仕事が忙しくても子育てにしっかり参加するロジャーさん

■さしつかえなければ世帯年収や夫婦の内訳などを教えてください。

個人事業なので、給料という明確な形ではずっともらっていません。日本の一般的な家庭の収入と同じくらいだと思います。僕が8割、妻が2割というぐらいでしょうか。

■家計はどちらが管理していますか?

妻です。僕はどんぶり勘定の人なので妻がやってくれています。

■どんな家に住んでいますか?

テラスハウスに住んでいます。2階建ての家が数軒連なっていて、庭は共通のタイプ。間取りは2LDKSというのかな。

■家事はどのように分担していますか?

夫: 妻がほぼ全て担当しています。僕はご飯を作るぐらい。

妻: 子どもの面倒はよく見てくれますね。夜中におしめを替えたり、ミルクをあげたり。夫は子どもが大好きなんです。

家族みんな、パパの手作り料理が大好き

■ちなみに昨日の晩ご飯は?

僕の店「炭やき屋」のスリランカカレーを食べました。このスリランカカレーは、店のランチで出している人気メニュー。たっぷりスパイスを使って結構辛いのですが、3歳の娘アンジェリーナも気に入ってくれています。

「炭やき屋」のスリランカカレー

■お互いの好きなところは?

夫: しっかり者なところ。僕が多少ルーズでも妻がコントロールしてくれるので、安心してのびのびといられます。

妻: やさしいところ。子育てを手伝ってくれます。子どもが好きなところもうれしいです。

■お互いの嫌いなところは?

夫: 日曜に仕事が入ると怒るところ。家族サービスが大事なのはわかるけど、ときには理解してほしいなぁ。

妻: 根に持つところ。たとえばけんかしたことをずっと覚えていて、後になって言ってきたりする。普段はおおざっぱな性格なのに、こういうところだけ細かいんです(笑)。

■結婚生活が長続きする三カ条を教えてください。

  1. お互いに干渉しない。価値観を押しつけない

  2. できるだけ日曜日は一緒にいる

  3. 思いやりを忘れない。これはイコール忍耐です。

■将来の家族の夢は?

家族みんなが健康で幸せであればそれだけで十分。子育てがひと段落ついたら、妻とゆっくり旅行でもしたいですね。

娘さんはすでにパパの焼肉店の看板娘