急に肌寒くなってきたとはいえ、日中は汗をかく日も少なくないこの時期。夏のような水分摂取をしつつも、夜は冷えるというこの季節の変わり目は、実はむくみが起こりやすい時期なのだ。冬のようにブーツを履くことがない分、気づかない人もいるかもしれないが、特に女性はむくみが起きているケースが多い。
体内の水分バランスと夜間の冷えが原因
むくみというと「冷える冬場のもの」という認識があるかもしれないが、実は夏場から秋にかけてもむくみやすいと言われている。
その理由の一つとして、水分の過剰摂取が考えられる。暑い夏は脱水症状や熱中症を予防するためにたくさんの水分を摂取するが、暑さで汗をかいたときは、水分といっしょに塩分(ナトリウム)が排出される。ナトリウムは体に水分をため込みむくみの原因と言われており、水分と一緒にナトリウムを適量摂取することで、体内の浸透圧を正常にしてむくみを防ぐことになる。
発汗でナトリウムが減って体内の電解質のバランスが崩れ、さらに水分を多く摂(と)るため、夏はむくんでしまうのだが、季節は秋に変わってもまだ発汗しやすい上、夏の水分摂取の癖が残ってしまいがち。そのため、この時期は体内バランスが崩れやすく、むくんでしまうことが多いというわけだ。
さらに、朝晩は気温が下がることが多く、手足が冷えやすくなる。冷えは血行を悪くし、それによって手足がむくみやすくなることもある。
むくみは他の病気のサインかも
むくみは病気ではなく、症状を示す言葉。季節的なものの場合もあるが、病気が隠れているケースも少なくない。
「いつもむくむ」
「前と違うような感じにむくむ」
「手足以外がむくむ」
「左右違った大きさでむくむ」
など、通常のむくみとは違った症状が出た場合は、腎機能や循環器系、甲状腺系のトラブルが隠れているかもしれない。内科や血管外科で診てもらったほうがいいだろう。
「私はむくみやすい体質だから」と、むくみを放置しておくのはよくない。自分でできるケアで、むくみにくい生活を心がけるようにしよう。
対策1 筋力アップでむくみ解消
男性と比べて女性がむくみやすいのは、筋力が男性よりも少ないからと言われている。だからといって、ハードな筋力トレーニングをすると、疲労物質の乳酸をためてしまい逆にむくんでしまう。駅まで歩くなど、日常生活の中で積極的に歩く工夫をして、適度な運動をするようにしよう。
対策2 スポーツドリンクなどを選ぶ
むくみやすい人は、足もつりやすい人が多いと言われている。そのような症状が出る人は、体内の電解質のバランスが乱れている可能性がある。水分摂取をするときには、糖質の摂(と)り過ぎに気をつけた上でスポーツドリンクを選択してみるといいだろう。
対策3 寝る前には足を上に上げる
むくみは、血液やリンパ液が下肢に下がってくることで実感する人がよく見られる。むくみやすいと感じる人は、寝ながら足を高く上げるといいだろう。また、より効果的に解消するならば、あおむけの状態で手足を上にあげたままブラブラ、バタバタと動かしてみるようにしよう。