カゴメはこのほど、野菜ジュースの飲用により、メタボリックシンドローム(以下メタボ)の原因の一つである食後の血糖値の急激な上昇を抑えることを、動物試験で確認したことを明らかにした。
現在、メタボの割合は40代以上の男性の2人に1人と言われるまで上昇し、直近の10年間で、肥満(BMI≧25)の割合は増加傾向にある(※1)。食後の血糖値の急激な上昇は、メタボの発症や進行につながる可能性があるため、メタボ予防・改善のためには食後の血糖値の上昇を穏やかにすることが重要だという。
そこで同社は、野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響について、動物で検証を行った。
まず、16時間絶食させたラットに、野菜ジュースをデンプンと同時に摂取させた。野菜ジュース群には、デンプン溶液と野菜ジュースをそれぞれ同時に与え、コントロール群には、デンプン溶液と、野菜ジュース相当の糖を含む糖液を同様に与えた。
摂取前(=0分)および摂取30、60、120分後に血液を採取し、血糖値の測定を行ったところ、野菜ジュース群の血糖値は摂取60分後においてコントロール群よりも有意に低い値となり、血糖上昇曲線下面積(AUC)(※2)もコントロール群に比べて有意に低い値を示した。この結果より、食事と一緒に野菜ジュースを飲むことで、食後の血糖値上昇が穏やかになると考えられる。
続いて、食事前の野菜ジュースの摂取が食後の血糖値に与える影響を検証した。野菜ジュースをデンプン摂取と同時(0分前)もしくはデンプン摂取の10分前に摂取させ、血糖値を測定した(野菜ジュースやデンプンの摂取量およびコントロール群の設定は前述の試験と同じ)。
その結果、野菜ジュースをデンプンと同時に摂取させた際も10分前に摂取させた際もほぼ同様の血糖値推移を示し、60分後の血糖値がコントロール群よりも有意に低い値となった。
これらの結果より、野菜ジュースを食事前に摂取しても、食事と一緒に飲んでも、食後の血糖値の上昇が穏やかになると考えられる。
同結果は動物試験により得られたものだが、同社は今後、ヒトが野菜ジュースを摂取した時にも同様の効果が得られるかどうかの検証や、寄与している成分、そのメカニズムの解明等を進めていくとしている。
※1 厚生労働省 平成24年 国民健康・栄養調査
※2 血糖上昇曲線下面積(AUC)とは、時間経過にともなう血糖値増加量の面積を指し、食品の血糖値上昇を比較する指標として用いられることが多い。AUCが低いことは、一般に、糖質の吸収が抑えられたことを示す。