「お金と相思相愛になる方法、教えます!」と言うのは、メンタルコーチのワタナベ薫さん。お金のない"カツカツの生活"をしていたワタナベさんがお金持ちになったのは、お金に対してのセルフイメージ(自己認識)を変えたからだという。そんなワタナベさんに、お金を引き寄せる人になるための生活習慣についてうかがってみた。
習慣1)お金に好かれるようにお金を使う
ワタナベさんの著書『なぜかお金を引き寄せる女性の39のルール』の中には、実際にお金持ちである人たちが実践している、いくつかの習慣について書かれている章がある。取材時に「この習慣の中で、最も大切なのはどれでしょう?」と聞いてみたところ、間髪入れずに戻ってきたのが「お金に好かれるようにお金を使うことですね」という答えだった。
「お金に好かれるようにお金を使う」とは、例えば「誰かに何かをプレゼントする」「知人が売っている商品を協力する気持ちで買う」などということ。こうしたお金の使い方をすると、「私は豊かだから、余裕を持ってお金を世の中に送り出すことができる」ということを、行動をもって意識することなく自分にインプットできる。そこが大事とのこと。「お金持ちになるためには、お金に対しての自己認識を変えていく必要があるのです」とワタナベさんは言う。
習慣2)経験にお金を使う
「肌で感じる"気"がいい場所にお金をかけていくことは、お金持ちマインドを育てるにはとてもいい方法です」(ワタナベさん)。例えば文化を感じたり、芸術に触れたり、自然と触れ合ったり……。そういったことにお金を使うことは、人間としての感受性を高めてくれる。上質なものに触れている内に、言葉遣いや立ち居振る舞いも少しずつ変わり、空間にもなじんできて、もっとその時間や人生を楽しめるようになる。
「よく"自分が本物になりたければ、本物に触れたり、本物がある場所に行け"言われています。気後れすることなく、積極的にどんどんすてきな場所に出掛けていきましょう」(ワタナベさん)。
習慣3)トイレ掃除は金運アップの登竜門
トイレについてのおもしろい調査がある。「キレイなトイレ」と「残念なトイレ」の人の年収を比べたら、キレイなトイレの人たちの方が年収は90万円ほど多かったという(ライオン 2011年調査より)。
トイレがいつもキレイというのは、運気にも関係してくる。中国の運命学「命理学」と呼ばれているものの中には、「運とは環境である」とある。つまり、運気を上げるには環境をキレイにしていることが条件という考えである。環境学のひとつとされている風水でも、トイレはとても重要な場所だそうで、特に財運と密接な関係があるらしく、経済状態を反映している場所と言われている。
「キレイなトイレにするには、まず掃除を徹底的にして、さらに換気をしっかりすること。備品もキレイにしておくこと。特にマットなどは匂いの原因にもなるので、こまめに取り換えることが必要です。トイレ掃除用具も新しいものに変えるといいようです」(ワタナベさん)。
それでもまだ何か嫌な感じがするなら、照明を明るくしたり、炭や観葉植物を置いたりしてみよう。また、インテリアでも"気"が変わるので、明るい色のものに取り換えるなどして、工夫すると良いそうだ。
習慣4)「お金がない」を言い訳にしない
例えば、何かを学ぶのに30万円が必要だったとする。値段だけで「無理、やーめた」と思ったら、話はそこで終わってしまう。今一度、「本当にやりたいのか?」と自分に問いかけてみよう。「本気でやりたいことは、無意識でも脳内でやれる方法を探しているものです」とワタナベさんも指摘している。
「本気でやりたい!」という確信がもてたら、次はお金の捻出方法を考える。例えば、月に1万円の節約と月に1万円余分にバイトをし、足りない分は過去の貯金でまかなう。そう考えれば、遠かった30万円への糸口が少しずつ見えてくるだろう。
「お金をかけて得たことは、人生の動機付けになったり、ビジネスになって元が取れたり、大きな学びがあって行動力が上がったりと、いろいろメリットがあります。"お金がないから無理"とシャッターを閉ざしてしまったら見えてこなかったであろう"いろいろな未来"が、きっと見えてくるはずです」(ワタナベさん)。
習慣5)判断基準は欲しいかどうか
ワタナベさんは買い物をする際、最初に値札を見ることはしないという。「物を選ぶ時、貧乏思考の人は、値段を見てから服を選ぼうとします。そうすると、値段というハードルがフィルターになり、"買える値段・買えない値段"といった具合に、何かを選ぶ価値基準が"欲しい・欲しくない"というものではなく、値段の奴隷となってしまうのです」(ワタナベさん)。
とは言え、使えるお金には限りがある。大切なのは無計画にどんどん使うのではなく、自分が最も気分が上がる選択を優先すること。満足度が上がれば、自然と無駄な買い物もしなくなるとワタナベさんは分析している。
習慣6)貯めようとするほどお金は貯まらない
「貯めようと思うことが、お金の流れを止めてしまうんです」とワタナベさん。これは、「お金を使わずに貯めることを考える人がいますが、お金が欲しいと思ったら、お金は送り出すことが先になります」ということである。
お金の流れを自分のところで止めようとする行為は、吸った息を止めているのと同じというのがワタナベさんの考え方。これ以上息を吸えない、つまり、"自分にも新しく流れてこない"という意味である。貯めることにエネルギーを使うよりは、稼ぐ方にエネルギーを使った方がはるかにお金は貯まるということに意識を切り替えると、お金の流れそのものも変わってくるのかもしれない。
これらの習慣は、特にお金のための特別な心がけというよりかは、「なんだ、そんなことなんだ」と感じるような気軽なもの。しかし、ちょっとしたキッカケで日々の生活を見直すことにより、「お金持ちマインド」が育っていくのかもしれない。
※本文と写真は関係ありません
プロフィール : ワタナベ 薫(かおる)
1967年5月30日生まれ。WJプロダクツ代表取締役。月10万円の貧乏生活を送っていた20代の頃、お金や成功法則に関する本を読んだが、一向に裕福にはならなかった。しかし、様々な経験を通して「お金の法則」を理解するようになり、その法則にならって生活するようになったところ、人生が大きく好転。「どうしたらお金を引き寄せられるのか」「豊かな人生を送ることができるのか」をあますことなく説いた『なぜかお金を引き寄せる女性 39のルール』(大和出版)を発売中。
筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)
1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。生活に役立つ情報を「主婦er」にて更新中。