6月2日、元サッカー日本代表 中田英寿氏がプロデュースする「nakata.net Cafe 2014@サンパウロ」のレセプションが、東京都・外苑前のブラジル大使館で開催された。nakata.net Cafeは、2002年の日韓ワールドカップの際に海外のサポーターを"おもてなし"するべくスタートして以来4度目の開催。海外初出店となる今回の店舗は、12日~26日にW杯開催国のブラジル・サンパウロにて期間限定でオープン予定だ。

日本酒で乾杯する中田氏とアンドレ氏

レセプションには、中田氏、在日ブラジル大使 アンドレ コヘーア・ド・ラーゴ氏、現地で日本酒をサービスする蔵元18名らが参加。会場では、nakata.net Cafeで提供予定の日本酒や日本食も振る舞われた。

現時点での"オール・ジャパン"

中田氏は、引退後5年掛けて日本全国を巡り、伝統工芸や日本の文化に触れてきたという。14の酒蔵の蔵元自らが日本酒や焼酎のサービスをする、同カフェの目玉企画「N-Bar」は、その過程で出会った蔵元たちに中田氏が直接お願いする形で実現したそう。nakata.net Cafeで提供される日本食やそれを盛り付ける食器なども、中田氏がセレクトしたものが中心になっており「現時点でのオール・ジャパンと言えると思う」(中田氏)とのこと。

現地では蔵元自らが日本酒をサービス

開催の挨拶で、中田氏は「(ブラジルに住む)100万人の日系人やW杯に来る国内外のファンに、自分の家に来ているような"おもてなし"をしたい」とスピーチ。日本文化を発信する同カフェを通して、日本人以外の人も日本代表を応援するようになってくれればと語った。

同じくレセプションに参加したアンドレ氏は、「中田氏は世界のサッカーを代表する人物」と評した上で、プロデューサーとして渡航予定の同氏に対し「W杯を直接観戦できて羨ましい」とコメント。ブラジル大使館では、6月12日から7月18日の期間「サッカー2014 パビリオン」の開催を予定しており、アンドレ氏は「現地に行けない日本のサッカーファンも一緒にW杯を楽しみましょう」と呼びかけた。

「モノづくりPRスタッフ」日本代表

また、nakata.net Cafeでは、日研総業と共同のプロジェクト「モノづくりニッポン e仕事×ReVALUE NIPPON」の一環として、現地で働く「モノづくりPRスタッフ」を4月より募集。説明会や面接を経て、安孫子広氏と宮野友輝氏の2名が採用された。

レセプションに参加した接客担当の安孫子氏は、アメリカ・ポルトガルへの留学経験を通して、日本文化の良さを感じてきたという。採用面接では「日本文化のすばらしさを得意のポルトガル語や英語を使って自分の言葉で世界に広めたい」「世界の人に日本文化を伝えるだけでなく、日本人自身がモノづくりや文化を見直すきっかけになれば」と熱い思いを語ったとのこと。

中田氏と接客担当の安孫子氏

プロデューサーである中田氏の印象は「自分の思いを明確なビジョンにし、実現する力がある人」。レセプションで中田氏と初対面を果たした安孫子氏は、「留学を経て"日本文化の魅力"を改めて知ることができました。今回のnakata.net Cafeでも"日本文化の発信"を行っていきたいです」と宣言した。

中田氏は、伝統文化を伝える"日本代表"としてnakata.net Cafeで働く安孫子氏に対し、「ポルトガル語も是非生かしてください。また現地でお会いしましょう」と出発直前のエールを送った。