国内最大規模を誇る模型の展示イベント「第53回静岡ホビーショー」(主催 : 静岡模型教材協同組合)が、5月15~18日の4日間、ツインメッセ静岡にて開催された。今年は主要模型メーカーを中心に、約80社が出展。ガンダムから鉄道模型まで一挙公開された新製品の中から、クルマのニューモデルを中心に紹介する。

陸上自衛隊の最新鋭「10式戦車」も展示された「第53回 静岡ホビーショー」会場

クルマ関連での最大の話題といえば、陸上自衛隊の最新主力機「10式戦車」の展示だろう。同イベントでは毎年、自衛隊広報コーナーが設置され、ミリタリーファンの関心を集めてきたが、戦車の公開は初めて。昨年、タミヤがプラモデル化した縁もあったという。県内の駒門駐屯地から運び込まれた全長約9.4m、全高約2.3mの戦車は、つねに幾重もの人垣に囲まれていた。

デビュー直後のGTマシンが早くもラジコンに!

今年でRCモデル発売40周年を迎える業界最大手のタミヤは、4月に開幕したスーパーGTでデビューして間もない「ENEOS SUSTINA RC F」を早くもラジコン化。特徴的なスピンドルグリルや迫力あるワイドフェンダーがリアルに再現されていた。また、40周年を記念して、「ホーネット」「Honda NSX」といった過去の人気モデルを復刻するとの発表もあった。

タミヤ「1/10電動RCカーシリーズ ENEOS SUSTINA RC F」。今年のスーパーGTを戦うマシンを"超速"で製品化

RC発売40周年を記念し、「トヨタ ハイラックス マウンテンライダー」「HONDA NSX」「ホーネット」も復刻された

京商「1/10スケール 電動ラジオコントロール 2WD レーシングバギー スコーピオン2014」

ABCホビー「01SUPERBODY IDx nismo」は日産監修の下で開発された。年内発売予定となっている

復刻版といえば、京商からも1982年に発売されたラジコンレーシングバギー「スコーピオン」が再登場するとのアナウンスが。ただの再販ではなく、最小限の設計変更でオリジナルを大切にしつつ、耐久性と走行性能を向上させたという。

ABCホビーは、昨年の東京モーターショーで日産が発表したニューコンセプトカー「IDx nismo」をラジコン化。予想の斜め上をいく題材のチョイスで、カーマニアを喜ばせていた。

ケンメリにZ……、旧車が主役のスケールモデル

スケールモデルでは、旧車の製品化が目立った。アオシマは、「ケンメリ」「ハコスカ」にフロントスポイラーやオーバーフェンダーなどを付けたワークス仕様のプラモデルを、実車と並べてアピール。タミヤは、「240Z」にワタナベホイール、リヤスポイラーなどを装着した「ストリート仕様」を、1/12のビッグスケールで再現していた。

アオシマ「1/24 LBワークス ケンメリ2Dr 2014ver.」。その他にも、「ハコスカ」や「130ローレル」のワークス仕様も発表された

タミヤ「1/12 NISSAN フェアレディ 240ZG ストリートカスタム」。エンジンも2バレルキャブレターの3連装に変更

アオシマ「1/24 AWS210 クラウン ハイブリッド ロイヤルサルーン G'12」。ドレスアップバージョンも発売予定

ハセガワ「1/24 ミニ クロスオーバー "レイ パッケージ"」。実車のドレスアップオプションを模型で再現

旧車と比べて、現行車の新製品は数えるほどだったが、それだけ魅力的な実車がないということだろうか? そんな中、アオシマが「クラウンハイブリッド」を、ハセガワが「ミニ クロスオーバー」を、それぞれカスタマイズの提案付きで公開していた。

ランボルギーニのスーパースポーツがミニカーに!

ミニカーの新製品は、昨年に創立50周年を迎えたランボルギーニのスーパーカーが目白押し。メイクアップは、ワールドプレミアされたばかりの「ウラカン LP610-4」のモックアップをはじめ、「アヴェンタドール LP900」「アヴェンタドール 50th アニベルサリオ」の精巧なレジン製モデルをずらりと並べていた。一方、オートアートが展示していたのは、50周年記念車として3台限定で生産された「ヴェネーノ」の試作品だ。

メイクアップのレジン製「1/43 DMC アヴェンタドール LP900 Molt Veroce」は今夏発売予定

オートアート「1/18スケール・ダイキャストモデル ランボルギーニ ヴェネーノ」の試作サンプル

イグニッションモデル「IG flame art」。初代「フェアレディZ」と「ハコスカ」が製品化されている

トミーテック「チョロQ ZERO」では外国車を展開予定。「ランチア ストラトス HF」の原寸木型

ユニークだったのが、イグニッションモデルの「IG flame art」。レジン製ミニカー制作時の3Dデータを利用し、カットモデルにアレンジしてフレームに納めたインテリアアートといった趣だった。

ミニカーの定番「チョロQ」も健在だ。ディティールにこだわったトミーテック「チョロQ ZERO」シリーズでは、往年の外国車4車種の製品化が決定。「フィアット500C」「ランチア ストラトス HF」といった渋いチョイスで、デフォルメされたフォルムにすっかりなごまされてしまった。